白鵬 大鵬さん孫を後継指名「強くなり私を倒す」引退プラン

[ 2013年2月12日 06:00 ]

大鵬さんの孫で元貴闘力の次男・幸林(右端)、三男・幸之介(左端)、四男・幸成(右から2番目)と記念撮影する白鵬

 大相撲の横綱・白鵬(27=宮城野部屋)が大鵬のDNAを受け継ぐ“金の卵”を後継者に指名した。11日、自身が大会名誉会長を務める子供相撲「白鵬杯」の第3回大会が東京・有明コロシアムで行われ、1月19日に死去した元横綱・大鵬の納谷幸喜さん(享年72)の孫で、元関脇・貴闘力の鎌苅忠茂さん(45)の四男・幸成(こうせい、東京・有馬小5年)の素質を絶賛。将来的に引退を決断するきっかけをつくってもらう筋書きまで思い描いていることを明かした。

 かつての大鵬が21歳の貴ノ花に敗れて引退を決断したように、また、千代の富士が18歳の貴花田(貴乃花)に敗れて体力の限界を感じたように――。今まさに大横綱への道を歩む白鵬も、角界の将来を担う大鵬の孫に引導を渡されることを切望していた。

 横綱が思い描くストーリーに登場するのは、尊敬する大鵬の三女・美絵子さんと元関脇・貴闘力の間に生まれた四男・幸成。小学5年ながら1メートル60、80キロの体格を誇り、現在は都内の相撲クラブ・江東青龍館で稽古に励んでいる。この日の小学5年の部では初戦の2回戦で敗れたが、白鵬は「足腰がおじいさんと似てる。私も同じですが、足がO脚なんです」と分析。そして目を輝かせながら夢のような筋書きを披露した。

 「あの子が大相撲に入って強くなり、私と対戦して私を倒す。そして私が引退するということを最近、思っています」

 白鵬は幸成を自身の元に呼んで「頑張れ」と背中を押し、11歳の大器も「うれしい」と笑みを浮かべた。兄の次男・幸林(たかもり、埼玉・大宮西中3年)、三男・幸之介(同1年)の影響で3歳から相撲を始め、兄弟の中で最も顔つきが祖父に似ていると評判で、もちろん「凄く尊敬している」という祖父を目標に掲げている。

 将来は高校相撲の名門・埼玉栄に進学して体の基礎を築いた後、角界に入門する予定。幕内上位に上がるためにはどんなに早くても9年の歳月が必要となる。その時に36歳を迎える白鵬は「年齢のことは考えてなかった」と苦笑いを浮かべながらも、「そういう夢を持ってやりたい」と劇的な引き際を迎える晩年の姿を想像していた。

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2013年2月12日のニュース