田知本V 動揺の中頑張った…五輪金メダリストまた撃破

[ 2013年2月12日 06:00 ]

柔道GSパリ大会女子78キロ超級決勝でオルティス(右)に反則勝ちした田知本愛

柔道グランドスラム・パリ大会最終日

(2月10日 パリ・ベルシー体育館)
 女子78キロ超級の田知本愛(24=ALSOK)が決勝でロンドン五輪金メダリストのイダリス・オルティス(23=キューバ)に反則勝ちして優勝した。同78キロ級の緒方亜香里(22=筑波大)は決勝でフランス選手に敗れた。女子日本代表の前監督らによる暴力問題に揺れた中で臨んだ2日間の大会で、男女各7階級のうち女子は3階級、男子は1階級を制した。

 ロンドン五輪に出られなかった悔しさを晴らすように、金メダリストを厳しく攻め立てた。残り19秒で相手が4つ目の指導を受けて反則勝ち。田知本愛が堂々たる戦いぶりでハイレベルな国際大会の頂点に立った。

 オルティスには昨年12月のグランドスラム東京大会決勝でも一本勝ちしていた。「外国で戦ったら全然違うと思っていたけど、フランスで勝ててよかった」。70キロ級の妹・遥(東海大)とロンドンを目指したが、五輪に出られたのは妹だけだった。悔しさをバネに再起し、地の利がなくとも勝利をもぎ取った。技を出すことを促す新ルールにも「積極的にいけば自分に有利になる」と前向きに捉え、欠点だった消極性も見せなかった。

 暴力問題に揺れる女子代表。渡欧前のミーティングでは斉藤仁強化委員長が選手に騒動の経緯を説明し、選手は出発や到着の空港でも無言を貫いた。普段の試合とは違う心境だったはずだが「動揺がある中で頑張ってもらいたい」と話していた斉藤氏の思いに応えた。78キロ超級は五輪銀メダルの杉本美香が引退し、田知本に期待が懸かる。田辺勝監督代行は「オルティスに2回勝ったのは自信になったと思う」と24歳の飛躍に期待した。

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2013年2月12日のニュース