独自スタイル貫き“市民ランナーの星”輝く

[ 2013年2月3日 18:47 ]

 「市民ランナーの星」として注目される川内優輝(25)が3日、別府大分毎日マラソンで大会新記録を樹立して優勝した。「ポーズをとるくらいなら1秒でも速く駆け抜けたい」の信条が示す通り、ガッツポーズもなくゴール。今夏の世界選手権(モスクワ)の代表候補に浮上した。

 実業団選手ではなく、高校の事務職員として働き、週末にレース出場して鍛える異色のトップ選手。ただ、昨年12月の福岡国際マラソンで6位に終わった後は、個人での調整法へ悩みも口にした。年末年始にはロンドン五輪代表の藤原新(ミキハウス)との練習や、採血での科学分析も試した。一方でレース前夜は飲食店をはしごして、カレーライスを大盛り3杯たいらげるなど、独自のスタイルも貫く。

 1月のエジプト遠征ではパスポートを忘れて予定した便に乗れず、チケット代で自腹を切った。競技に没頭するあまり、痛い目に遭うことも。だが、それも快走が忘れさせてくれるという。

 4年前のこの大会での初マラソンから数えて21度目のレースを優勝で飾り「やっぱりマラソンは楽しい」とまくし立てた。愚直に走り続ける息子に、母の美加さん(48)は「その地に行っておいしいものを食べて、温泉に入る。趣味も兼ねているのがいいんじゃないですかね」とほほ笑んだ。

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2013年2月3日のニュース