警視庁アメフト 「Xリーグ」昇格!不景気で“強化”!?

[ 2013年1月27日 06:00 ]

練習する警視庁のアメリカンフットボールチーム「警視庁イーグルス」

 警視庁のアメリカンフットボールチームが社会人トップの「Xリーグ」への昇格を決めた。警察チームがスポーツのトップリーグ入りをするのは初めてで、警視庁幹部も「サッカーだとJ1昇格に匹敵する快挙」と喜ぶ。福島第1原発周辺の警戒警備に当たるなど過酷な勤務の中での悲願。任務があれば練習は二の次となる「宿命」ながら、次は日本一を目指す。

 Xリーグへの昇格を決めたのは東京都江東区に拠点を置く第9機動隊による「警視庁イーグルス」。重要施設の警備や被災地派遣の合間に練習を重ね、悲願を達成した。

 創部は71年。チーム名は同隊のシンボルマーク「若鷲」に由来し、エンブレムも鷲。現在のメンバーは20代後半が中心の50人だ。昨年は走力がある選手を軸とした“機動力”重視のチームでゲームに臨み、下部リーグで4連勝。昨年12月に行われたXリーグとの入れ替え戦で、ブルザイズ東京を延長戦の末に破った。警視庁によると、警察チームがスポーツのトップリーグ入りするのは初めてだ。

 キャプテンの佐藤康介巡査長(27)は19歳以下の元日本代表。経営合理化で廃部になった実業団チームや強豪の大学で活躍した選手が警察官の採用試験に合格して「入部」し、チーム強化につながったという。

 別の幹部は「不景気から公務員の安定性を選んだ有望選手の受け皿にもなった」と分析。企業スポーツの冬の時代が続く中、警察チームがトップリーグ進出という実績を残したことで、受け皿として一段と注目され、選手層はさらに厚くなりそうだ。

 とはいえ、企業チームと違って任務が最優先。5日に一度は泊まり勤務があり、昇任に伴う人事異動などでシーズン中に中心選手がチームを去る可能性もある。

 メンバーの大半は年明けにも12日間、福島第1原発周辺の警戒警備に当たった。衣川淳一第9機動隊長は「重要警備があれば練習できないが、それも宿命。いつか日本一決定戦ライスボウルに挑みたい」と話している。

 ≪野球部は11年に発足≫警視庁には第9までの機動隊と特科車両隊の計10隊があり、各隊に特定の競技を専門とする「スポーツ小隊」がある。第1はハンドボールと卓球、第2はボート、第3はラグビー、第4はフェンシングと近代五種、野球、第5はサッカーと空手道、第6はレスリング、第7はバスケットボール、第8は相撲とウエートリフティング、第9がアメフト、特科がバレーボール。野球部は09年12月に発足し、11年3月9日に日本野球連盟に登録。都市対抗野球への出場を目指している。

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2013年1月27日のニュース