ソチの新星!17歳平岡 世界選手権男子ハーフパイプで銀

[ 2013年1月22日 06:00 ]

スノーボード世界選手権男子ハーフパイプで2位に入った平岡卓

 来年のソチ五輪に向けて17歳の新星が現れた。スノーボード世界選手権第4日は20日、カナダ・ストーンハムで行われ、男子ハーフパイプで大阪・上宮高2年の平岡卓(フッド)が銀メダルを獲得した。決勝1回目では、大技ダブルコークを決めて89・50点でトップ。2回目も横2回転を3回転に上げて93・75の高得点をマークした。ユーリ・ポドラドチコフ(24=スイス)が94・25点で優勝。2大会ぶりの優勝を狙った青野令(22=松山大)は85・50点で5位だった。

 ソチでの活躍を予感させる頼もしい17歳だ。平岡の表情に浮かんでいたのは達成感よりも悔しさ。表彰式でも笑顔は少なく、開口一番「優勝したかった。悔しい」と素直な気持ちをはき出した。

 ハーフパイプでは世界選手権と五輪の成績は直結しない。トリノ、バンクーバー両五輪を制したS・ホワイト(米国)のように、高額賞金大会を主戦場として世界選手権に出ない選手も少なくないからだ。治部忠重コーチは「米国はトップの選手が出ていない」と語り、平岡も「(今回は)それほどレベルの高い大会ではない」と額面通りには受け止めなかった。

 とはいえ、回転軸をずらしながら3回転する「ダブルコーク」をきっちり決め、的確な状況判断も光った。パイプの底にたまった雪にスピードを奪われる悪条件。平岡は5回の空中技を4回に減らす代わりに通常より斜めに滑って勢いをつけ、高い跳躍を連発した。

 24日からは「憧れだった」という世界最高峰の大会、冬季Xゲームに出場。ここにはホワイトらも参加してくる。「五輪では表彰台に上りたい」。五輪まであと1年。伸び盛りの17歳には、世界との差を縮める時間はある。

 ◆平岡 卓(ひらおか・たく)1995年(平7)10月29日、奈良県御所市生まれの17歳。小学1年生のころにスノーボードを始め、10代前半から国際大会を経験し、10、11年の世界ジュニアで優勝。11年の世界選手権は9位。W杯では今回と同じストーンハムでの大会で昨年、一昨年と2位になっている。1メートル71、63キロ。上宮高2年。

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