クルム伊達「シャラップ」いらだち隠せず…3回戦敗退

[ 2013年1月20日 06:00 ]

女子シングルス3回戦で敗退し、コートを後にするクルム伊達公子

全豪オープンテニス第6日

(1月19日 オーストラリア・メルボルンパーク)
 女子シングルス3回戦で、世界ランク100位のクルム伊達公子(42=エステティックTBC)は同56位のボヤナ・ヨバノフスキ(21=セルビア)に2―6、6―7のストレートで敗れた。16強入りを逃し、68年のオープン化以降、4大大会初の40代3勝はならなかった。同72位の森田あゆみ(22=キヤノン)は同3位で第3シードのセリーナ・ウィリアムズ(31=米国)に1―6、3―6のストレートで敗れ、日本女子は姿を消した。
【全豪オープンテニス2013】

 新たな偉業達成はならなかった。21歳のヨバノフスキとの一戦は今大会初の夕方の試合。40度近い中での激闘だった2回戦とは一変し、試合開始時点で17度。気温が上がらなかったことで、クルム伊達は昨年末の深センオープンで負傷したアキレス腱の痛みが再発。ふくらはぎにかけてテーピングを施して臨んだが、40代の4大大会3勝はならなかった。16強入りなら、ベスト4に入った94年以来19年ぶり、4大大会では96年の全米(ベスト4)以来17年ぶりだったが、その夢はメルボルンの夜空に散った。

 第1セット第1ゲームでいきなりブレーク。だが、サービスゲームのキープに苦しみ、第2ゲームから4ゲーム連続で奪われ、今大会初めてセットを落とした。第2セットはコートの奥深くに返し続けるなど展開を変えることを試みたが「ボールコントロールできていなかったので自分のペースに持って行けなかった」と3―2とリードを奪いながら抜け出せなかった。観客に「シャラップ」と叫ぶなど、いらだつ場面もあった。アキレス腱痛のため踏ん張りが利かずにボールが軽くなり、タイブレークの末に若い力に屈した。

 体を効率良く使うファンクショナルトレーニングを昨年から取り入れたことで、体に負担をかけない動きを習得。疲労がたまりにくくなり「連戦の割には動けている。体が動いていれば自分のテニスができることを確認できた」という手応えはあった。それでも4回戦は遠かった。試合後に欲しいものを問われると「若さ。女性としての42歳に不満はない。目に見えないものが補える若さ」と漏らした。

 女子ダブルス3回戦は20日に組まれず、久しぶりの休養日となる。不屈の42歳は仕切り直してコートに立つ。

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