北太樹 平幕唯一の5連勝!元サッカー少年が“台風の目”に

[ 2013年1月18日 06:00 ]

舛ノ山(左)を押し出し全勝を守った北太樹

大相撲初場所5日目

(1月17日 両国国技館)
 北太樹が舛ノ山を押し出して、平幕で唯一となる初日から負けなしの5連勝を飾った。元サッカー少年で中卒叩き上げの30歳。無敗は日馬富士と2人だけになり、中盤戦以降の“台風の目”となる可能性が出てきた。白鵬は栃煌山を寄り切り4勝目。大関復帰が懸かる把瑠都は松鳳山を下し、3勝2敗とした。
【取組結果】

 30歳の北太樹が、28キロ重い22歳の舛ノ山の圧力を鋭い当たりではねのけ、一気に押し出した。序盤を初めて無敗で乗り切ったベテランは「当たれたのでいい流れだった。でも、3連敗したらただの5勝3敗。全然。今だけです」と照れ笑いした。

 中卒叩き上げで幕内まで上り詰めたが、元はサッカー少年。元日本代表の北沢豪らを輩出した東京・町田市の町田SSSのGKとして活躍。小学4年時に父の知人の紹介で師匠・北の湖理事長(元横綱)に出会い、進路は大きく変わったが、今でもサッカー好きは変わらない。かねて地元チームのJFL・町田ゼルビアを応援。元日本代表の秋田豊氏が監督に就任しただけに「期待しています」と熱いエールを送った。

 半年前から日本代表のエンブレムと同じ八咫烏(やたがらす)が刺しゅうされた帯を愛用。勝利を導くシンボルといわれる八咫烏の帯を使うようになってから「(左)膝の痛みがなくなってきた」という。もちろん、それ以前からストレッチやトレーニングなど努力を重ねた効果で状態が快方に向かい、サポーターを外して万全な状態で土俵に上がれるようになったのだが北太樹にとっては八咫烏は大事な守り神になっている。

 付け人の太田(三段目)、西内(幕下)はともに元中学横綱で、技術論については「先生」と仰ぐなど後輩に対する面倒見もいい。中盤戦以降に向け「調子に乗らないことですね」と好成績に自らを見失わず、北の湖部屋の部屋頭として自分らしく土俵に集中する覚悟だ。

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