妙義龍初金星!6度目の挑戦で白鵬破った

[ 2013年1月16日 06:00 ]

押し出しで白鵬(左)を破った妙義龍

大相撲初場所3日目

(1月15日 両国国技館)
 平幕・妙義龍が横綱・白鵬を一方的に押し出し、初金星を挙げた。昨年秋場所の対戦では、かち上げを食らって失神状態となり完敗。その悔しさを晴らし、三役復帰に向けて弾みをつけた。大関陣では稀勢の里と琴欧洲が敗れたが、横綱・日馬富士は粘る豊ノ島を外掛けで仕留めて3連勝を飾った。

 最強横綱に全く相撲を取らせなかった。こんな平幕力士はいなかった。妙義龍は低い姿勢でぐんぐん前に出た。まさに電車道だ。完勝劇での初金星。27本(手取り81万円)の懸賞の束を受け取った26歳の日本男児は「自分の相撲を取れて勝ったのでうれしい。自信になります」と誇らしげに語った。

 先場所まで5度、白鵬に挑んだが、全く通用しなかった。昨年9月の秋場所の対戦では屈辱を味わった。強烈な右のかち上げを食らい失神。大の字になった。立ち上がった後もフラフラになりながら引き揚げるのがやっと。翌日には「相撲って危ない。気がついたら時計の針が午後6時20分でしたから」と振り返った。昨年末、幕内力士19人が新年会をするバラエティー番組収録に参加した際には、お笑い芸人「あかつ」に失神のシーンをまねされた。爆笑の渦が巻き起こったが、さすがに本人は苦笑い。悔しさは募る一方だった。

 「引きずっていても立ち合いで怖がってもだめ。挑む気持ちでやりました」と妙義龍。審判として土俵下から見届けた師匠の境川親方(元小結・両国)も「(失神は)頭の片隅にあったと思うが、あれでびびるような男じゃない」と愛弟子を高く評価した。

 先場所6勝9敗で負け越し、3場所守った三役の座から陥落した。平幕に落ちたからこそ舞い込んできた金星。4日目は母校・日体大から約450人の大応援団が駆けつける。「勝とうが負けようが15日間思いっきりやるだけ」。冷静に現実を直視し、勝負に挑むのが妙義龍という男の生きざまだ。

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