日体大 勝因は“窮屈”「自分たちはぬるま湯につかっていた」

[ 2013年1月4日 07:02 ]

やった30年ぶり総合優勝!10区・谷永(手前)を笑顔で出迎える日体大のメンバー

第89回箱根駅伝

(1月3日 箱根・芦ノ湖~東京・大手町、復路5区間109・9キロ)
 3年生以下の布陣で往路26年ぶりVを果たした日体大は、復路で起用された3人の4年生が全員区間2位という安定した走りを見せ、11時間13分26秒で30年ぶり10度目の総合優勝を果たした。

 「自分たちはぬるま湯につかっていた」と谷永。指導者不在だった過去のある自由な日体大カラーをはき違えていた昨年までを見直し、生活改善から始めた一年。「窮屈な生活」と最も感じたのは4年生だった。

 だが、窮屈さこそ勝利へとつながる我慢であることを理解したのも4年生が最初。「最後は“おまえたちがいて良かった”と言ってもらえるような存在になろうと約束した」と高柳が言うように、リーダーが誰であろうと、4年生が引っ張るという意地が結果となって表れた。

 日体大2年時の87年、往路優勝したチームにあって9区でけいれんを起こし、総合Vを逃した責任を一身に背負った経験を持つ別府監督が言う。「あの当時は走る10人以外は用意もできていなかった。だから、59人、全部員で準備することにこだわりたかった」。どん底を味わったからこそできた、改革。走れなかった福士を最後に胴上げしたのは、その改革が成功した何よりの証でもあった。

続きを表示

この記事のフォト

2013年1月4日のニュース