真央 3季ぶり世界選金メダルへ「冒険していきたい」

[ 2013年1月1日 06:00 ]

3月の世界選手権で3季ぶりの金メダルを狙う浅田真央

来年2月7日開幕 ソチ五輪

 雪と氷の祭典へ、カウントダウンが始まる。ソチ冬季五輪は来年2月7日に開幕。夢舞台前年の13年、フィギュアスケートの浅田真央(22=中京大)は3月の世界選手権(カナダ・ロンドン)で3季ぶりの金メダル奪回を狙う。

 最高の自分を取り戻すために、浅田の闘志は衰えない。ソチ五輪へのカウントダウンが進む13年。今季、代名詞の大技・トリプルアクセルを封印しながら4戦全勝と好調の22歳だが、満足感に浸ることはない。「今はまだ、冒険した練習をしていない。これから冒険していきたい」。見据えるのは大技の完全復活。氷も溶かすような熱い思いを、力強い言葉に乗せた。

 11年12月9日に母・匡子(きょうこ)さんが48歳の若さで死去し、12年3月の世界選手権では自己ワーストの6位に沈んだ。トリプルアクセルもまったく決まらず、姉・舞さん(24)に「もうスケートをやめたい」と漏らした。ショッピングなど姉とリンクから離れた時間を過ごし、他のスケーターの練習に取り組む姿勢を見て取り戻した銀盤への意欲。今季はトリプルアクセルをプログラムに組み込まず、完成度と表現力で勝負してきたが、大技解禁へ機は熟した。

 トリプルアクセルの練習には継続して取り組み、昨年末の全日本選手権の公式練習でも3度着氷した。「試合で跳んでも認定されるくらいにきている。あと一歩」。試合での成功は11年四大陸選手権が最後。12年の世界選手権では公式練習、試合を合わせて56回連続で失敗した。自身の代名詞のジャンプを見失いかけたが、今は違う。「たくさんの方にトリプルアクセルを見てもらいたい」。2月8日開幕の四大陸選手権(大阪)で、大技を解禁する可能性が高い。

 3月13日開幕の世界選手権では、3季ぶりの金メダルを狙う。昨年12月に競技会に復帰し、いきなり200点超えをマークした、最大のライバルのキム・ヨナ(22=韓国)と激突する公算が大きい。「世界選手権はソチにつながる舞台。自分の演技をしっかり、自分のやるべきことをしたい」。ソチ五輪で最も輝くために、浅田が着実に歩を進めていく。

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2013年1月1日のニュース