東洋大V2への切り札 設楽ツインズ、目標は宗兄弟超え

[ 2013年1月1日 06:00 ]

並走する設楽啓太(右)、悠太兄弟

2日号砲 第89回箱根駅伝

(10区間217・9キロ)
 第89回東京箱根間往復大学駅伝競走は2日から2日間、10区間217・9キロで行われる。2年連続4度目の優勝を狙う東洋大は、4年連続5区区間賞の“山の神”柏原竜二(現富士通)が抜け、山上りでのアドバンテージがなくなったが、今回も有力な優勝候補だ。選手層が厚く、安定感あるチームを、設楽ツインズの啓太と悠太(3年)が新エースとしてけん引する。

 柏原がいなくても、最強ツインズがいる。絶対的な存在だったエースら前回優勝メンバー4人が卒業したが、酒井監督は「(柏原の)穴は大きいものだが、全区間で区間3位以内で走る指導をしてきた。選手層は厚くなっている」と自信を見せる。そのチームの中心が3年生となった設楽兄弟だ。

 3年連続でエース区間の2区を任された兄・啓太は言う。「今年は自分たちが引っ張る気持ちでやっている」。その意気込みは個人の結果にも表れた。春に1万メートルで28分15秒90の自己ベストをマークし、5月の関東インカレでも日本人トップの2位に入った。

 補欠登録で、当日のエントリー変更で主要区間に入ることが濃厚な弟・悠太は前回7区で区間新を出し「自信がついて、前に出る積極的なレースができるようになった」とひと皮むけた。6月には1万メートルで28分12秒82を出し、兄のベスト記録を超えた。これまで常に一歩先を行っていた啓太は「弟に負けるのが一番悔しい」と刺激を受けた。夏場は2人で競い合うように追い込んできた。エースの自覚、そして強烈なライバル心が2人を成長させている。

 2人には大きな夢がある。啓太が「マラソンで五輪に出たい」と言えば、悠太は「2人で宗兄弟を抜けたらいい」と言った。84年ロサンゼルス五輪に出場した宗茂、猛兄弟を超える日本史上最強のツインズランナーへ。そのステップとなるのが箱根だ。

 前回、大会記録を8分15秒更新する10時間51分36秒で圧勝した東洋大は3冠を目標にした今季、出雲、全日本ともに2位に終わっている。啓太は「(3大大学駅伝の)最後の箱根は往路で5連覇、総合連覇を狙う」と力強く誓った。2人が柏原に代わるエースの走りでチームに勢いをつければ、連覇の可能性はぐっと高まる。

 ◆設楽 啓太(したら・けいた)、悠太(ゆうた) 1991年(平3)12月18日、埼玉県生まれ。二卵性双生児。ともに小学6年で陸上を始める。男衾(おぶすま)中―武蔵越生高―東洋大3年。1、2年時の箱根区間順位は啓太が2区7位、同2位、悠太が3区8位、7区1位。啓太は1メートル68、49キロ、悠太は1メートル67、46キロ。

続きを表示

この記事のフォト

2013年1月1日のニュース