早大エース大迫 箱根激走→米修行!14年日清食品G入り表明

[ 2012年12月26日 06:00 ]

笑顔でストレッチをする早大・大迫

 V奪回で世界進出だ。来年1月2、3日に行われる第89回箱根駅伝で2年ぶりの頂点を狙う早大が25日、埼玉・所沢キャンパスで取材に応じた。エースの大迫傑(すぐる、3年)は14年4月に日清食品グループに入社することを発表し、トラックの海外強豪選手が集まる米国を拠点に活動する方針を示した。大学4年となる来年も、同地でのトレーニングを予定。今大会は“花の2区”での出場が有力なエースが、箱根で激走して武者修行につなげる。

 学生長距離界のトップクラスでは満足できない。箱根駅伝でV奪回を目指す早大のエース・大迫の視線は、大学卒業後を見据えていた。14年4月に実業団の強豪・日清食品グループに入社することを表明。大学3年で進路を明かすのは異例だが、入社後の強化方針も異例だった。トラックの有力選手がトレーニングしている米国を拠点にスピードを磨く。「レベルアップのために話を進めています」と静かに気合を入れた。

 今夏のロンドン五輪はトラック種目での出場を目指したが、日本選手権で2位に敗れ夢舞台には届かなかった。1万メートルで優勝した佐藤悠基との差は、わずか0・38秒。ゴール後は倒れ込み、拳を地面に叩きつけた。冷静な男が見せた激情。「あれだけ悔しがったってことは本気でロンドンを狙っていたということ。五輪に行けなかったことが彼を成長させた」と渡辺監督は振り返っていた。

 大迫は卒業後、数年はマラソンではなくトラックを主戦場にする予定。「力をつけて日本の長距離やトラックのイメージを変えたい」。高岡寿成が保持する1万メートルの日本記録27分35秒09を超える26分台が目標だ。米国に拠点を移すのは卒業後だが、大学4年の来年もタイミングが合えば同地で強豪選手とトレーニングを行う予定。世界進出を見据えているからこそ、箱根駅伝で学生ランナーに負けてはいられない。

 1、2年時は1区で区間賞を獲得した大迫だが、今大会は各大学のエースが集まる“花の2区”での出場が有力。「1区以外がいい。抜いたり駅伝を楽しみたい。2区なら(渡辺)監督の記録を超えたい」。指揮官が95年にマークした1時間6分48秒の早大記録がターゲットだ。近年、山上りの5区ばかりが注目を集めていたが、「自分の力で注目してもらえるように頑張ります」と気合十分。早大を頂点に導く激走が、世界へのパスポートだ。

 ◆大迫 傑(おおさこ・すぐる)1991年(平3)5月23日、東京都町田市出身の21歳。長野・佐久長聖では2年時に全国高校駅伝優勝。早大に進学すると11年ユニバーシアード1万メートルで金メダルを獲得。5000メートルの自己ベストは13分31秒27、1万メートルは27分56秒94。1メートル70、53キロ。

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