新小結・松鳳山「上がれてよかった」 野球賭博関与も“改心”

[ 2012年12月25日 06:00 ]

松ケ根親方(左)と笑顔で握手する新小結の松鳳山

 日本相撲協会は24日、大相撲初場所(来年1月13日初日、両国国技館)の新番付を発表し、九州場所で2桁勝利の松鳳山(28=松ケ根部屋)が新小結となった。元大関・若嶋津の松ケ根親方が90年1月に部屋を創設して23年目で初の三役。駒大出身でも初となった。まずは三役をキープし師匠と並ぶ大関への昇進を目標を掲げた。また、左太腿裏のケガで九州場所を途中休場し、大関で2場所連続負け越した把瑠都(28=尾上部屋)が西関脇に降下した。

 色黒の松鳳山は、真新しい番付を手にすると、思わず相好を崩した。西小結の欄に書かれた、しこ名を指さしながら「番付を見て小結に名前があって実感が湧きます。三役は相撲界に入って別格のものと思っていた。ここまで上がれてよかった」と笑みをこぼした。

 入門7年目。挫折も味わった。10年8月、野球賭博関与が発覚し2場所出場停止処分を受け、十両から幕下に陥落した。相撲を辞めようとしたが、思いとどまり謹慎明けの11年初場所から2場所連続幕下で全勝優勝し十両復帰。同年九州場所に新入幕を果たした。

 今年11月の九州場所でチャンスをつかんだ。それまで多用したもろ手突きを封印。思い切って踏み込む立ち合いに変えて、攻めのバリエーションが増え2桁勝利で三役を手にした。さらに夢は広がる。「三役をキープして次は豪栄道らと同じ大関候補になりたい」と来年は師匠の松ケ根親方と並ぶ地位を目指す。課題は「もっと早い相撲をとらなきゃ」。下半身強化でスピードアップを図る。西小結で初日は横綱・白鵬と3度目の対戦が濃厚。横綱も松鳳山を意識していると聞き「横綱が気にしてくれたのはうれしい」と気合を入れた。

 部屋創設23年目で初の三役に松ケ根親方は「あと体重を2、3キロ増やせば馬力も出るし前に出られる。このまま三役に定着してほしい」と期待を寄せる。来年1月11日には初の三賞受賞と新三役昇進祝賀会も行われる。「もう一つ上の地位を目指して稽古していきたい」と松鳳山は貪欲に上を狙っていく。

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2012年12月25日のニュース