男子の豊川 独走!好タイムで50年ぶり初出場V!

[ 2012年12月24日 06:00 ]

<全国高校駅伝・男子>初出場で初優勝を決めた豊川・第7区走者・皆浦巧

男子63回、女子24回全国高校駅伝

(12月23日 京都西京極陸上競技場発着=男子7区間42・195キロ、女子5区間21・0975キロ)
 男子は初出場の豊川(愛知)が大会史上4番目となる2時間2分55秒で優勝した。東日本大震災の影響で仙台育英の特待生を受け入れた豊川は、3区でケニア人留学生のズクが首位を奪うとその後は独走状態。第13回大会の福岡大大濠以来50年ぶりの初出場優勝を果たした。女子はアンカー勝負で逆転した立命館宇治(京都)が1時間7分22秒で5年ぶりに制し、史上最多タイとなる3度目の栄冠に輝いた。

 後続が影も形も見えない独走状態に、豊川のアンカー、皆浦は後ろを振り返ることなくゴールテープを切った。3区のズクが区間記録まであと7秒の快走で首位を奪うと、4区の一色が区間賞の走りで勝負を決めた。森安彦監督は「よくやってくれたの一言。女子が負けた(2位)ので複雑ですが、ホッとしました」と目尻を下げた。

 昨年までは、04年に全国2位になるなど14年連続の出場を誇った豊川工の壁を破れなかった。しかし、今年3月に、東日本大震災の影響で満足な練習環境が整わないため、強豪仙台育英から7人が加入した。この“集団移籍”には震災を大義名分にしたチーム強化として批判的な見方があったが、今季から男女兼任で指導することになった森監督は「任されたからには精いっぱいやらなければ」と覚悟を決めた。

 「転校後6カ月未満の出場は認めない」という高体連の規定で、夏の高校総体(インターハイ)は出場を断念。周囲の雑音も小さくはなかったが「駅伝を走るために頑張ってきた。ここに懸けていた」(1区・服部)と、黙々と練習を積んだ。強豪選手の加入でレギュラーから外された選手もいるなか、鈴木主将が間に入ってチームをまとめた。この日は5人が仙台育英からの転入組だが、“生え抜き”皆浦がアンカーの大役をこなしたのは象徴的。2年連続区間賞の一色も「寮生活は不安だったが、チーム内の空気も良くてなじめた」。チーム一丸で獲得した栄冠だった。

 2時間2分55秒は史上4番目の好タイム。50年ぶりの初出場Vに花を添えたが、森監督は「アベックVに近づけるように、あしたから練習します」と意気込んだ。

 ▽豊川高校 学校創立は1928年。曹洞宗寺院である豊川稲荷を母体とした旧制中学校が前身で、僧侶の夜間中等教育機関だった。現在は普通科のみの私立学校。陸上部の他に水泳部やソフトボール部などが活躍し、来春の第85回記念選抜高校野球大会で21世紀枠の東海地区候補校になっている。OBにはプロ野球ソフトバンクの森福允彦、ロンドン五輪競泳で男子400メートル個人メドレーに出場した堀畑裕也らがいる。

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