初の日本一見えた!羽生、国内最高97・68点でSP首位

[ 2012年12月22日 06:00 ]

演技を終えほっとした表情の羽生

フィギュアスケート全日本選手権第1日

(12月21日 北海道・セキスイハイムアリーナ)
 国内最高スコアで初の日本一が見えた。来年3月の世界選手権(カナダ・ロンドン)代表選考会を兼ねて行われ、男子ショートプログラム(SP)で初優勝を狙う羽生結弦(ゆづる、18=東北高)が97・68点をマーク。国際連盟主催大会でないため参考記録ながら、自身が持つ95・32点の世界最高得点を上回って首位に立った。高橋大輔(26=関大大学院)が88・04点で2位。男子フリー、女子SPは22日に行われる。

 右手を天に突き上げるフィニッシュから、しばらく動けなかった。満足感に浸ったからじゃない。97・68点という驚異のハイスコアを叩き出しながら、羽生の頭をよぎったのは反省点だ。「凄く緊張して…。顔(表情)をつくれなかったなあ」。自身の持つ国際大会の世界最高得点95・32点を上回り、昨年の全日本で高橋がマークした96・05点を超える国内最高得点。「得点には自分自身凄くびっくりしている」。高橋に9・64点差の大差をつけ、初めての日本一を視界に捉えた。

 2分50秒の「パリの散歩道」の旋律に乗って、会場を魅了した。冒頭の4回転トーループを完璧に決めると、基礎点が1・1倍になる演技後半に組み込んだトリプルアクセル、3―3回転も成功させた。

 2位に入った今月上旬のGPファイナルのフリー後、体調を崩して嘔吐(おうと)を繰り返し、エキシビションを欠場した。この日も演技直前の6分間練習では、4回転ジャンプで安定感を欠いた。決戦のリンクに立った時は、足が震えるほど緊張していた。「何が何だか分からない状態だった」。18歳の若武者はいくつもの不安を抱えていたが、「しっかりいい演技ができた」と胸を張った。

 GPファイナルで初優勝を果たした高橋を筆頭に、空前のハイレベルの日本男子。「高橋先輩たちがいたから、ここまでやってこられた。まだ追いつけていない部分もある」と謙遜した羽生は、22日のフリーに向けて静かに闘志を高めた。「昨年は銅メダルだったし、もっともっといい色のメダルを獲りたい。日本一にこだわっているんじゃなくて、全日本選手権という名前にこだわっている」。全日本の優勝者に自身の名前を刻んだ時、14年ソチ五輪の新エースが誕生する。

 ▽フィギュアスケート世界選手権代表選考 日本の出場枠は男女とも3。(1)GPファイナル(進出者3人未満の女子はGPシリーズのランキング)の日本勢上位3人(2)全日本選手権の上位3人(3)全日本終了時点の世界ランキングの日本勢上位3人――のいずれかを満たす選手から日本スケート連盟が総合的に判断して決め、23日に発表する。現時点で男子は高橋、羽生、小塚、女子は浅田、鈴木、村上が選考基準を満たしている。

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