高梨沙羅、練習中転倒し救急搬送も…検査結果は異常なし

[ 2012年12月21日 06:00 ]

練習中に着地で失敗し、倒れ込む高梨(手前)

 ソチ五輪の金メダル候補に衝撃が走った。ノルディックスキー・ジャンプ女子のW杯で今季2勝を挙げている高梨沙羅(16=グレースマウンテン・インターナショナル、写真)が20日、北海道名寄市での合宿中に転倒し、救急車で市内の病院に搬送され、脳振とうと診断された。一時意識を失ったが、CTなど精密検査の結果は異常なし。念のために入院し、21日にMRI(磁気共鳴画像装置)検査を行って退院する見込みだ。

 高梨はK点を越える93メートル前後まで飛んだ1回目の着地直後にバランスを崩し、前のめりに頭から転倒。気を失い、うつぶせのまま動かなかった。渡瀬弥太郎女子チーフコーチ(52)は「(着地時に)膝を曲げずに立ってしまった」と原因を指摘。応急処置後に搬送された高梨は救急車内で意識を取り戻し、「すみません。ご心配をおかけしました」と話し、病院では笑顔も見せたという。

 高梨は14日のW杯個人第4戦(オーストリア・ラムソー)で、2回目の着地後に転倒しながら2勝目を挙げた。16日に帰国し、静養してから19日夜に全日本女子合宿に合流。帰国後最初となったジャンプで再び転倒した。出場予定だった25日の北海道士別市の大会に関して、渡瀬チーフコーチは「年内は無理をさせたくない。様子を見てから」と慎重な姿勢。だが、欧州遠征には予定通り1月3日に出発する見通しだ。

 ▼98年長野五輪金メダリスト・船木和喜氏(フィット) (空中で)1回転とかしたわけじゃなく、着地後の転倒なので、それほど恐怖心は残らないと思う。脳振とうの時は自分も悪いイメージはあまりない。それよりも体のケアが大事。首を痛めると(助走で)目線が微妙に変わり、影響が出ることも。

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