白鵬4場所ぶり賜杯ガッチリ 14日目にも23度目V

[ 2012年11月24日 06:00 ]

稀勢の里(右)を押し出しで破った白鵬

大相撲九州場所13日目

(11月23日 福岡国際センター)
 横綱・白鵬が4場所ぶりの賜杯奪還に王手をかけた。大関・稀勢の里を一方的に押し出して体調不良からの復活をアピール。14日目に2差で追う平幕の旭天鵬が敗れるか、自らが鶴竜を下せば、貴乃花(元横綱、スポニチ本紙評論家)を抜いて歴代単独5位となる23度目の優勝が決まる。
【取組結果】

 「満員御礼」の垂れ幕が下りた場内が、ため息に包まれた。観客は日本人大関の健闘を期待したが、結果は白鵬の圧勝だった。

 立ち合いは右で張ったものの、得意の右差しにはいかず、稀勢の里のお株を奪うように突き、押しで一気に前へ。あっけにとられて何もできない相手を2秒あまりで簡単に押し出した。

 「(まわしにこだわらなかったのは)作戦ではありません。そういう流れになっただけ。出足は何かね、良かったのかな。気持ちのいい勝ち方です」

 ここ数日は風邪で体調を崩し、朝稽古も休んだ。「鼻が詰まって息苦しく夜も寝つけないようだ」と宮城野親方(元幕内・竹葉山)。しかし、力なく寄り切られた11日目の琴欧洲戦以降は、足湯で体を温め、早めに就寝するなど体力回復に専念。さらに整体師の施術も受け“宿敵”との一番に備えてきた。

 稀勢の里は2年前の九州場所で、連勝記録を「63」で止められた因縁の相手だった。その後、昨年の九州場所までは3勝3敗と結果は均衡していたが、ライバルが大関に昇進してからは5勝1敗と大きくリード。年々開く2人の力の差を目の当たりにした北の湖理事長(元横綱)は「(体が)スムーズに動いていた。いつもの7割ぐらいの力で決着をつけたんじゃないか」と絶賛した。

 14日目に3敗の旭天鵬が敗れるか、自ら鶴竜を下せば、歴代単独5位となる23度目の優勝が決まる。「きょうみたいにいい相撲を取りたい。頑張ります」。会場を後にするその足取りは、軽やかだった。

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2012年11月24日のニュース