ジャンプ界の鉄人・葛西 不惑の決意「50歳まで飛びたい」

[ 2012年11月21日 12:46 ]

50歳まで現役を続けることを明かした葛西

 ジャンプ界の鉄人が50歳まで現役続行を宣言した。ノルディックスキー・ジャンプのW杯は23日、ノルウェー・リレハンメルで開幕。全日本チーム最年長、40歳のベテラン・葛西紀明(土屋ホーム)は50歳まで現役を続けることを決意しながら今季のW杯に挑む。W杯で日本人最多単独トップとなる16勝目、さらに14年ソチ五輪で7大会連続出場を目指す。

 昨季史上初のW杯通算400試合出場を果たした葛西が新たな決意を胸に今季のW杯に挑む。現在40歳。フィンランド・ロバニエミで、あと10年現役を続けられるように自らを奮い立たせ、練習に打ち込んでいる。

 「年齢的なことは全く感じない。できれば50歳まで飛びたい。あと10年やっていかないといけないから、膝や腰を大事にしていきたい」と胸の内を明かした。

 40歳以上で活躍するジャンパーは世界でも42歳の岡部孝信(雪印メグミルク)と葛西の2人だけ。50歳となれば例がない。現役にこだわる理由がある。94年リレハンメル五輪の団体戦。金メダルまであと一歩のところで当時アンカーを務めた原田雅彦氏(雪印)が失敗し、銀メダルに終わった。五輪で悲願の金メダルを獲得することが今なおモチベーションとなっている。

 同年代のアスリートの活躍も刺激だ。親交のある同い年の日本ハム・稲葉篤紀外野手が今年4月に2000本安打を達成。日本ハムが3年ぶりのリーグ制覇を達成した際には、稲葉に祝福のメールを送った。また、42歳で現役を続けるプロバスケットボールのレバンガ北海道・折茂武彦とも交流があり、「違うスポーツのアラフォー選手が頑張っていると自分も…という気になる」と刺激を口にする。

 今季のW杯では世界初の40代優勝が懸かる。04年以来、優勝から遠ざかっているが、勝てば岡部の持つ38歳4カ月の最年長Vを上回る。「1回勝てば次々と行ける気がする。岡部さんのような調子の良さが(これから)僕にも来ると思う」。50歳まで現役を宣言した鉄人が未知の扉をこじ開けていく。

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