審判勘違いでやり直しも 日馬、動じず勝ち越し

[ 2012年11月19日 20:35 ]

取り直しとなった日馬富士と豪栄道の一番

大相撲九州場所9日目

(11月19日 福岡国際センター)
 右四つから豪栄道の寄りに詰まった土俵際で、日馬富士の左足が出たと判断した向正面の湊川審判委員(元小結大徹)は右手を上げた。だが、約3分の協議の末、鏡山審判長(元関脇多賀竜)は「勘違い」と場内に説明。誤審による“やり直し”という前代未聞の事態となったが、中断した場面を日馬富士は「(足は)出てなかったですよ。豪栄道のまわしの後ろが外れたのかなと思った」と淡々と話す。やじが飛び交いざわめいても動じず、気迫満点の相撲を取り切った。

 最初の相撲は劣勢とみられた日馬富士だが「右四つだから僕の方が有利。どっちみち取り直しになると思っていた」と言う。北の湖理事長(元横綱)も「2番目の相撲も、もう一丁来いという気持ちでいった。それが横綱だ」と新横綱の精神面を称えた。

 結び前の失態で何とも締まらない後半戦のスタートとなったが「あのまま終わったらあれだけど、お客さんも楽しむことができたでしょう」日馬富士。新横綱での勝ち越しに「横綱だから勝ち越しじゃない。優勝だよ」と最後まで冷静だった。

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