白鵬 ストレート給金最多タイ!復活Vへ「相手よく見える」

[ 2012年11月19日 06:00 ]

豪風(手前)を突き倒しで破り全勝をキープした白鵬

大相撲九州場所8日目

(11月18日 福岡国際センター)
 白鵬が豪風を突き倒しで下し、初日から無傷の8連勝をマーク。千代の富士(現九重親方)に並ぶ史上最多25度目のストレート給金を決めた。横綱昇進後初めて3場所連続で優勝を逃したが、場所前は酒断ちを決意するなど、体調管理も徹底。連日盤石の取り口で史上最多9度目の全勝Vに手応えをつかんでいる。豪栄道も隠岐の海を上手投げで下し、自身初の中日全勝ターン。新横綱の日馬富士、平幕の豊ノ島、千代大龍も1敗を守った。

 ド迫力の勝利に満員の観客があっけにとられるなか、白鵬はどうだといわんばかりに土俵上で見えを切った。立ち合いから派手にかち上げて、豪風を左右の突き押し6発で圧倒。花道を意気揚々と引き揚げると「胸を合わせかけたが、微妙な距離があったので最後まで突ききりました。相手がよく見えているのは今場所だけじゃないよ」と余裕の口ぶりだ。

 中日全勝ターンは千代の富士と並び最多タイの25度目。「序盤では絶対に取りこぼさない強さの証明か」の問いに白鵬は「(その)証明と勲章をいただきます」と軽くうなずき、北の湖理事長(元横綱)も「相撲の安定感、実力は一番。先場所までは不本意と思っているから何が何でも優勝と思っているだろう」と絶賛した。

 日馬富士の昇進で、その存在を脅かされた第一人者が4場所ぶりの賜杯奪回へ出直しを誓った。九州入り後も後援会関係者らとの付き合いで夜も多忙だったが、10日からは禁酒を宣言。知人と食事に出掛けても大好きなお酒を飲まず、ノンアルコールの飲料をトマトジュースなどで割って飲んでいるという。1カ月前には、トレーナーから「下半身に比べ腕が細い」と指摘されると、これまでは「体が硬くなる」と控えていたダンベル運動による腕力強化も再開した。

 今場所は尊敬する双葉山の生誕100年に当たる。このまま千秋楽まで無敗を守り全勝Vを飾れば、双葉山、大鵬を抜いて単独トップの9度目。一年納めの九州場所6連覇も同時に達成する。この日の朝稽古後には「いろんな記録がありますからね。あらためて達成しようという意識が生まれるよ」と語ったが、数々の記録を塗り替えてきた男がいよいよ「本気モード」に突入したようだ。

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2012年11月19日のニュース