藍 今季自己ベスト64!単独首位 初タイトルも獲得

[ 2012年11月18日 06:00 ]

「ウィリアム&モージー・パウエル賞」を受賞した宮里藍(左)と「ファーストタイムウィナー賞」を受賞した宮里美香

USLPGAツアー タイトルホルダーズ第2日

(11月16日 米フロリダ州ネープルズ ツインイーグルスGC=6699ヤード、パー72)
 米女子ツアー最終戦の第2ラウンドが行われ、宮里藍(27=サントリー)が2度の3連続を含む9バーディー、1ボギーで今季自己ベストの64をマーク。通算10アンダーまで伸ばし、単独首位に浮上した。米ツアー参戦7年間の貢献度を評価され“初タイトル”も獲得。ツアー通算10勝目へ弾みをつけた。宮里美香(23=NTTぷらら)は75と崩れ通算2オーバーの42位に後退した。

 季節外れの寒さにも、18ホール中9ホールでピンが左右の端から5ヤード以内に切られている厳しいセッティングにも、宮里は動じなかった。

 「スイングのフィーリングは良かったけど、寒さもあって集中力が上がってこない」スローなスタートだったが、パー5の5番で4メートルを沈めたのが、チャージの合図。前半と後半に2度の3連続バーディーを決めるなど計9バーディーを量産し、一気にリーダーボードを駆け上がった。

 「週末に向けて1つでも多く(スコアを伸ばす)という気持ちで最後までプレーした。ここ1カ月、紙一重の状態が続いていて、いつこういうスコアが出てもおかしくなかった」。手応えがようやく結果につながった。

 年間5勝した10年もタイトルには縁がなかったが、今年は模範的な選手に贈られる「ウィリアム&モージー・パウエル賞」を日本人で初めて受賞。米ツアー参戦7年で日本のゴルフファンの米ツアーへの関心を高めただけでなく昨年、宮里美、上田と行った東日本大震災被災地復興支援の活動も評価され、うれしい“初タイトル”となった。

 16日夜にネープルズで行われた米ツアー年度表彰式には、宮里美とともに黒いワンピースでドレスアップして登場。プレゼンターの宮里美から「おめでとう、アイ」と英語で紹介されて壇上へ。「英語でのスピーチはウイニングパットより緊張する」と切り出し出席者の心をつかむと、スポットライトの中で「これからも夢を諦めず、頑張っていきたい」と誓った。

 絶好の位置で向かう決勝ラウンド。「難しいコースではあるので、とりあえずあすですね。自分のゴルフの状態を楽しめるような余裕を持ちたい」。穏やかな心で、ツアー通算10勝目をつかみにいく。

 ▽ウィリアム&モージー・パウエル賞 1950年代から米女子ツアーの発展に寄与したハリウッド俳優のパウエル夫妻にちなんで1986年に創設された。受賞者は選手の投票で決まる。歴代受賞者には通算88勝のキャシー・ウィットワースやナンシー・ロペス、ジュリ・インクスター、ロレーナ・オチョアらがいる。

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