遼 米ツアー本格参戦へパーマー“ご近所”拠点に

[ 2012年11月13日 06:00 ]

来季米ツアーの拠点が決まった石川

 2年ぶりのツアー優勝を飾った石川遼(21=パナソニック)が、米フロリダ州オーランドのゴルフリゾート「ベイヒル・クラブ&ロッジ」に拠点を構え、来季の米ツアーに本格参戦することが分かった。同ツアーは11日最終日のチルドレンズ・ミラクル・ネットワーク・クラシックでツアーの全日程を終了。石川は今季87万1051ドル(約6900万円)を獲得し賞金ランク108位相当で同125位までに与えられる来季のシード権を獲得した。

 ベイヒルは、米国の伝説的スーパースター、アーノルド・パーマー(83)のホームグラウンド。パーマーは74年から別荘を所有しペンシルベニア州の自宅とは別に、避寒地として多くの時間を過ごしている。そこに石川が拠点を構えることになれば、米ツアー62勝のレジェンドと“ご近所”となり、貴重なアドバイスを受ける機会も増える可能性がある。

 石川は先週の試合で今季米ツアーに挑戦したベサンムンからホームシックになったという経験談を聞き、あらためて「ルーキーは身も心も大変なんだなと思った。早く慣れて米国をホームにしていかないといけない」と感じたという。

 フロリダは1年を通してゴルフに適した温暖な気候でタイガー・ウッズも大リーグのキャンプ地のジュピターに豪邸を所有。また、ベイヒルのコースでは毎年3月に米ツアーのアーノルド・パーマー招待も行われている。石川は09年から4年連続で出場。初めて海外遠征で訪れ、宿泊したのもこのコースだった。米国への憧れを抱いた原点の一つともいえる所だけにスタート地点としては最高の場所でもある。

 前日の三井住友VISA太平洋マスターズでの涙の優勝から一夜明けたこの日は、来季の米ツアーのシード権獲得が正式に決まる“朗報”も届いた。午前中を静養に充て、午後に今週のダンロップ・フェニックス(15日開幕、宮崎・フェニックスCC)に向け宮崎に移動した石川は「米ツアーメンバーとしてプレーするのは、今年とは違う意味がある。凄くうれしい」と話した。万全の態勢で米国に乗り込むため米国東部のベイヒルに対して西部にも拠点を構える計画も練っており、二重の喜びを味わったことで米ツアー本格参戦の準備にもさらに弾みがつきそうだ。

 ◆石川は71位 男子ゴルフの11日付世界ランキングが発表され、三井住友VISA太平洋マスターズで2年ぶりの優勝を果たした石川遼が前週の89位から71位に浮上した。藤田寛之は前週と変わらず52位。米、欧州の両ツアーで賞金王に輝いたロリー・マキロイ(英国)が1位をキープした。2位はタイガー・ウッズ(米国)で、ルーク・ドナルド(英国)が3位だった。

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2012年11月13日のニュース