日本 ソチ五輪消滅 「悔しい」英国に惜敗

[ 2012年11月12日 06:00 ]

<日本・英国>五輪出場を逃した日本の選手たち。手前は久慈

アイスホッケー男子 ソチ冬季五輪1次予選 日本1―2英国

(11月11日 栃木・日光霧降アイスアリーナ)
 J組最終日は11日行われ、世界ランキング22位の日本は同21位の英国に1―2で屈し、勝ち点5の3位で敗退した。日本は4大会連続で五輪出場を逃した。日本は勝てば1位で来年2月の最終予選に進めたが、第1ピリオドに2失点。第3ピリオド4分すぎにFW久慈修平(25=王子)が1点を返したが、追いつけなかった。勝ち点を7に伸ばした英国が1位で最終予選に進出した。韓国はルーマニアを2―0で下し、勝ち点6で2位。ルーマニアは3連敗した。

 第3ピリオド残り1分。相手反則で1人多い日本は、さらにGK福藤をベンチに下げて6人攻撃を仕掛けた。だが執念は実らず試合終了。五輪への道は地元で閉ざされ、悲鳴が会場を包んだ。25歳の久慈は「実力がなかったということ。ホームで負けたのが一番悔しい」と声を絞り出した。

 英国が序盤に強いというデータは頭に入っていた。ところが警戒していた第1ピリオドに2点を先行される最悪の展開になった。反則で1人少ない状態で先制を許すと、30秒後に追加点を奪われ、福藤は「悪い時間に2失点したのが最後まで響いた」と悔やんだ。

 攻撃でも焦りがあったのか、簡単なミスが目立ち、スピードを生かし切れなかった。前日の韓国戦で決勝点を奪った久慈が第3ピリオドに一矢報いたのがやっとだった。

 4月の対戦で5―0と快勝した相手に、1次予選突破が懸かる大一番で敗れた。地元開催の重圧があったのか。海外でのプレー経験がある田中豪は「若い選手が入って、こういう環境に慣れていない部分もあったかもしれない」とうつむいた。

 ≪関係者ショック≫地元開催の1次予選で五輪出場の望みを断たれただけに、日本の関係者のショックも大きい。今予選は当初、英国が開催権を持っていたが辞退。日本連盟は収入が98年長野五輪を境に下降線で今やピーク時の3分の2程度だが盛り上がりに期待し、開催を請け負った。だが、西武が09年に不況のあおりで廃部するなど代表クラスの選手を取り巻く環境に好転の兆しがない日本で、強化は簡単ではない。坂井寿如強化本部長も「何かすれば急に強くなるわけではない。地道な作業」と渋い表情だった。

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