白鵬 日本―モンゴル平和祈念像建立を計画

[ 2012年11月5日 06:00 ]

お披露目された「防人の像」を見つめる白鵬

 九州場所(11日初日、福岡国際センター)に備え福岡入りしている横綱・白鵬(27=宮城野部屋)は4日、同地に日本とモンゴルの平和祈念像の建立を計画していることを明かした。両国が国交を結んで今年で40周年の節目でもあり、かつて元寇(げんこう)があった博多湾付近への設置を発案。九州の宿舎の福岡県粕屋郡・南蔵院の林覚乗(かくじょう)住職らの協力で計画を進め、来年11月の“お披露目”を目指している。

 フビライ・ハーン率いるモンゴル帝国軍が博多湾に襲来してから738年――。モンゴルから来日し、現代の角界を引っ張る白鵬がビッグプランを口にした。「今年は日本とモンゴルの国交樹立40周年でもありますし、平和の碑をつくりたい。場所は博多の海沿いになると思う。私はモンゴル出身なので両国が平和であるように…」

 日本とモンゴルは1274年の文永の役、1281年の弘安の役と2度の蒙古(もうこ)襲来で争った歴史があるが、1972年に国交を樹立して以来、お互いに交流を深めている。モンゴル出身の横綱として、最近は竹島をめぐる日本と韓国の領土問題や中国との尖閣問題など日本と近隣国の関係がギクシャクしていることもあり、両国の永続的な友好関係の維持のために“何かをしたい”と考えていた。

 力強い協力者もいる。福岡の宿舎・南蔵院の林住職と日本工芸会の理事を務める博多人形師の中村信喬氏だ。この日、南蔵院で行われた警察官や自衛官などに対し感謝と敬意を示す「防人(さきもり)の像」除幕式に出席した白鵬は昼食で2人と会食し、計画を打ち明けた。林住職は「横綱の思いを実現させたい」と賛同。モニュメントの設計を依頼された中村氏も「横綱の意向を聞いてから詰めていきたい」と快諾。早くも日本の大相撲とモンゴル相撲の力士が握手している像を思い描いている。

 設置場所は博多湾沿岸が有力で、元寇に際し神風が吹き困難に打ち勝ったことから「勝利の神」として有名な筥崎(はこざき)宮(福岡市東区)にも協力も仰ぐ方針。来年11月に予定する完成式典にはチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世にも参加を呼びかけるとしている。

 ≪巨人の日本一祝福≫白鵬が日本一の巨人を祝福した。2月に宮崎キャンプを訪問したこともあり「本拠地での優勝はファンにとっても選手にとってもうれしい」と祝福。昨年12月に宮城野部屋に「1日入門」した同世代の長野については「彼が自分のプレーを出したことが日本一につながった」と絶賛した。危険球問題で物議を醸した加藤に対しても「みんな精神的にも肉体的にも身を削ってやってる。選手がどうこうとかじゃない」とかばっていた。

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2012年11月5日のニュース