森田イーグルクイーン!今季9個目で日本タイ

[ 2012年11月4日 06:00 ]

15番、ティーショットを放つ森田理香子

USLPGAツアー スポニチ主催ミズノクラシック第2日

(11月3日 三重県志摩市 近鉄賢島カンツリークラブ=6506ヤード、パー72)
 飛ばし屋の森田理香子(22=リコー)が1イーグル、5バーディー、3ボギーの68で通算6アンダーとし、9位から2位に浮上した。13番では年間9個目のイーグルを奪い、96年に福嶋晃子がマークしたツアー記録に並んだ(ホールバイホールの記録が残る90年以降)。終盤に立て続けにボギーを叩いたものの、最終日の4差逆転に手応えをつかんでいる。9位で出たイ・ボミ(24=韓国)が64を出し、通算10アンダーで首位に立った。

 打ったボールを目で追う。その表情に手応えが表れていた。13番、残り195ヤードの第2打。番手は5Iだ。グリーンの硬さを計算に入れた森田のショットは、エッジ付近から転がってピン横2・5メートルについた。

 「(記録まで)あと1個にしてからこんなチャンスはなかった。絶対に入れよう」

 揺るぎない決意でフックラインを決めてイーグル。年間9個目。96年の福嶋の最多記録に並んだ。“リーチ”をかけてから約2カ月、21ラウンドも遠ざかっていただけに、安ど感に包まれた。

 「狙ったところに打てて、当たりも良かった。(記録は)メディアの方に言われて意識をしていました」

 突風のような風が吹く中、パットがさえてスコアを伸ばした。大会前に師匠の岡本綾子から受けたアドバイスが効いていた。「パターのヘッドを目で追わないようにと言われました」。これでストロークが安定。2番で7メートルを沈めたのを皮切りに8番で6メートル、11番で5メートルと長めのバーディーパットを決め、記録へのリズムをつくった。

 京都生まれのイーグル女王は女子ではトップの人気を誇る。女子プロ協会は公式サイト上でファンから応援メールを募集しているが、今季は森田が1096件を集め1位に輝いている。ツアー屈指の飛距離とキュートなマスクで多くの支持を集める一方、メディアへの露出は極端に少ない。森田のマネジャーによると、ゴルフ雑誌の取材、テレビマッチなどの依頼を全て断っているという。本人の哲学はこうだ。

 「しっかり実績を残して、ゴルフで認知されてからじゃないと恥ずかしいじゃないですか」

 岡本一門らしい硬派さで優勝も諦めていない。イーグルで一時は単独トップに立ちながら、その後崩れて失速。4打差の2位で最終日を迎えるが「イーグルを取ればすぐですから」と力を込めた。粗削りな飛ばし屋から、真のトップ選手へ。お膳立ては整った。

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2012年11月4日のニュース