さくら2差9位 次姉・彩花さんと急造姉妹タッグ

[ 2012年11月3日 06:00 ]

18番、パーをセーブしてホールアウトする横峯さくら(左はキャディーで姉の彩花さん)

USLPGAツアー スポニチ主催ミズノクラシック第1日

(11月2日 三重県志摩市・近鉄賢島カンツリークラブ=6506ヤード、パー72)
 今季初勝利を目指す横峯さくら(26=エプソン)が5バーディー、3ボギーの70で回り、首位と2打差の9位で発進した。キャディーのジョン・ベネット氏(40=ニュージーランド)の負傷により、急きょ姉の彩花さん(29)とコンビを結成。パットで築いた前半の貯金が利いて好位置につけた。昨年優勝の上田桃子(26=フリー)は6人が並ぶ1打差の3位につけた。
【第1R成績】

 1、2、3と歩測した後、キャディーバッグからサッとSWを抜いた。4番のアプローチ。普段なら、キャディーのジョン・ベネット氏からクラブを渡されるが、この大会にはいない。己の直感を信じて打ち、チップインバーディーを奪った。喜びのグータッチの相手は、三姉妹の次女・彩花さんだ。

 「気を使わなくていいのがいいですね」

 実の姉とのコンビは笑顔があふれた。2人で組むのは08年富士通レディース以来、実に4年ぶり。冷たい風がコースを舞う中、肩を並べて歩き、よく話をした。前半はそれが好パットを生んだ。1番が5メートル、3番も5メートル、5番は10メートルと、長いバーディートライが次々と決まり5つも伸ばした。

 アクシデントは大会2日前だった。ベネット氏が歩いてコースから宿舎に戻る際、柵で右膝を切り、10針を縫った。一報を聞いた横峯は翌朝、姉に助けを求めた。

 「浮かんだのが姉でした。時間をかけて来てもらいました」

 長女・瑠依はプロ。次女はかつて姉と妹のキャディーをしたが、現在は都内でマッサージ店兼バーを営む。末っ子の緊急事態に店をスタッフに任せ、伊勢志摩へ直行。前夜に到着し、初日の朝にコンビ復活になった。とはいえ、彩花さんは現場を離れて長い。横峯は距離計測やクラブ選びを自分で行った。

 「風が難しくなった」という後半にそのマイナス面が出た。ショットが乱れて3つ落とした。「自分でやるのは大変でした。風の読みとか、(ベネット氏が)いないと不安」。しかし、家族の存在が心強いのも確かだ。18番は5メートルのパーパットを「しっかりめで」とアドバイスを受け、その通りに沈めた。首位と2打差で終え、姉も「4年前よりパットがよく入る」と疲労の色を浮かべながら喜んだ。

 ここ2戦、優勝争いをしながら最終日に失速している。欠けている1ピースは、姉妹で埋めてみせる。

 【さくらの異色キャディー】

 ☆父 プロデビュー戦の04年9月、フジサンケイ・レディースで父・良郎さんとコンビを組み4位。その後もしばらくコンビは続いたが、親子での口げんかが話題になった。

 ☆長姉・瑠依 06年4月のスタジオアリス女子オープンで、プロツアーでは初めてプロゴルファーの瑠依とタッグ。14位だった。

 ☆マネジャー 06年9月の日本女子オープン3日目に良郎氏からマネジャーの日下部英明氏にバトンタッチし31位。日下部氏は良郎氏の仕事の都合などでたびたびコンビを組んだ。

 ☆中学生 06年11月のミズノクラシックで良郎氏が指導するゴルフスクール「さくらアカデミー」所属の中学3年、有馬境佑(けいすけ)君が担いで32位。

 ☆女子プロレスラー 07年3月の開幕戦、ダイキン・オーキッド・レディースで横峯のトレーナーも務めていた女子プロレスラーのAKINOを起用。14位だった。

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2012年11月3日のニュース