佳純 リオへ発進!初の姉妹対決で貫禄勝ち

[ 2012年10月23日 06:00 ]

妹の石川梨良(左)に完勝した石川佳純(右)

卓球日本リーグ後期

(10月22日 東京・味の素ナショナルトレーニングセンター)
 初の姉妹対決は貫禄勝ちだ。ロンドン五輪女子団体銀メダリストの石川佳純(19=全農)が日立化成の一員として出場し、妹の梨良(りら、15=エリートアカデミー)とシングルスで対戦。五輪後初の試合で姉の意地を見せた佳純が3―0で完勝し、16年リオデジャネイロ五輪へ発進した。

 五輪銀メダリストとして、そして姉として、絶対に負けられない一戦だった。日本リーグのチームに所属していない石川は、レンタル制度で日立化成の一員として出場。エリートアカデミーとの第1試合、対戦相手は妹の梨良だった。「凄い不思議な感じ」。意地のストレート勝ちを収め、「相手が妹でやりにくかったけど、コートに立ったら何も考えずに集中できた」と笑った。

 石川が中学から大阪に卓球留学したこともあり、これまで打ち合う機会はあまりなかった。前日(21日)、練習試合で勝利したものの、公式戦では初対決。第2ゲームは11―4と圧倒した一方、第1ゲームは11―8、第3ゲームは12―10とジュースにもつれ込んだ。懸命なプレーを見せる妹の確かな成長がうれしかった。「ところどころナイスボールを打たれたりして、凄く強くなっているなと思いました」と約30分間の姉妹対決を振り返った。

 9月のW杯、参戦予定だった中国スーパーリーグは、尖閣諸島国有化による反日デモの影響で断念せざるを得なかった。「W杯もスーパーリーグに出られないのも凄く残念だけど、来年またチャンスがあると思う」。不測の事態にもモチベーションを下げることなく、トレーニングに打ち込んできた。姉の意地を見せ、妹の進化を感じ、16年リオデジャネイロ五輪へリスタート。「リオは目標にしている大会なんで、自分も妹も一緒に頑張っていきたい」。4年後の夢舞台を目指して、佳純が梨良をけん引する。

 ▽エリートアカデミー 日本オリンピック委員会(JOC)の強化育成プログラムで、08年4月にスタート。味の素トレセンを生活拠点として、全国から発掘した優れた資質を持つジュニア選手を近隣の学校に通学させながら強化を行う。対象者は中学1年から高校3年までで、今年度は卓球が18人、レスリング12人、フェンシング12人の計42人。卓球の日本リーグには09年前期から参戦。

続きを表示

この記事のフォト

2012年10月23日のニュース