有村 米ツアー出場権&賞金女王両獲りだ

[ 2012年10月19日 06:00 ]

有村智恵は最終9番グリーンでバーディーパットを沈め同組の野球解説者・広澤克実氏(左)とハイタッチ

マスターズGCレディース

(兵庫・マスターズゴルフ倶楽部)
 賞金総額1億2300万円のビッグトーナメント、マスターズGCレディース(スポーツニッポン新聞社主催)は19日、兵庫・マスターズゴルフ倶楽部で開幕。有村智恵(24=日本ヒューレット・パッカード)は賞金女王と米ツアー出場権の両獲りを狙う。賞金ランクトップの全美貞(29=韓国)とは1730万円差の3位。米ツアー最終予選会出場のためにツアー最終戦は欠場するだけに、3日間大会で最高の優勝賞金2214万円を誇る今大会で逆転女王の足がかりにする。

 しゃく熱のフロリダから肌寒い日本に戻ってきた。長旅の疲労に加え、時差ボケもある。だが、自分のやるべきことは明確。だからこそ、有村の表情には迷いがなかった。

 1つ目は来季の米ツアー出場権の獲得。上位70位タイまでが突破となる先週の2次予選会は40位で終えて戻ってきた。通過することが何よりも大事な試合とはいえ、日本のトッププロとしては不満の残る順位。有村自身も納得していなかった。

 「芝生が全然違った。日本では経験できないバミューダ芝で自分の引き出しのなさ、小技の下手さを痛感した」と反省。さらに、フェアウエーまでカートで乗り入れOKという試合方式にも戸惑ったという。「歩きのラウンドとはリズムが違って、気持ちのコントロールの仕方が難しかった」

 最終予選会はカートを使えないが、どんな状況でも動じないタフさは海外で戦う上では必要になる。「いろいろな覚悟をもっていかないといけない。あらためて実感した」と壁の高さを肌で感じられたのは収穫だった。

 最終予選会まであと6週間。日本でも明確な目標を持って臨んでこそ、短期間のうちに鍛えられるものがある。有村の場合は賞金女王を目指して戦うこと。「日本では違った意味で結果を残さないといけない」と自分にプレッシャーをかけるような言葉を口にした。

 この日はプロアマ戦に出場し、ラウンドの合間にはロブショットの練習を繰り返した。“バミューダ芝後遺症”で手で操作しがちだったアプローチを、体幹を使うロブショットのスイングで矯正。小田亨キャディーは「有村の場合は、それがショットの修正にもつながる」と効用を語った。

 最終戦は欠場するものの、女王争いのライバル・全美貞もミズノクラシックを欠場予定。1730万円差からの逆転は不可能ではない。「今回は高額賞金なので終盤に向けて大事な大会になる。いい成績を残したい」。有村にとって今大会の勝利が女王への道と米ツアーへの道も切り開く。

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2012年10月19日のニュース