「神風吹いた」青学大が大会新で出雲初V

[ 2012年10月9日 06:00 ]

初優勝を果たした青学大アンカーの出岐雄大

出雲全日本大学選抜駅伝

(10月8日 島根・出雲大社前~出雲ドーム前の6区間44・5キロ)
 大学駅伝界に新風が吹いた。3区でトップに立った青学大が2時間9分41秒の大会新記録をマークし、初優勝を飾った。全日本大学駅伝と箱根駅伝を加えた“3大駅伝”で初タイトルをゲット。11月の全日本大学駅伝は予選で敗れたために出場できないが、来年1月の箱根駅伝でも初優勝を狙う。連覇を目指した東洋大は2時間11分10秒で2位、優勝候補の駒大は2時間11分50秒で5位に終わった。

 ビッグタイトルに手が届いた。歓喜のゴールに飛び込んだ出岐主将(4年)が、そのままチームメートに胴上げされて宙を舞う。青学大が大学3大駅伝で初優勝。「今までで一番うれしい。優勝を目標にやってきたんで」。今年の箱根駅伝の2区で区間賞、びわ湖毎日マラソンで学生歴代3位の2時間10分2秒をマークした主将が胸を張れば、原監督も「会心のレース。神風が吹きましたね」と笑った。

 1年生の力走が好リズムを生んだ。順大と13秒差の2位でタスキを受けた3区の久保田(1年)は、3キロすぎで首位へ。熊本・九州学院高時代、高校駅伝の1区を制したスーパールーキーが、今大会でも区間賞だ。「楽しく走れました。差はあったけどいけると思った」。3区終了時点で2位・東洋大に37秒差をつけ、最後は今春に左足首を痛め、「4割くらいの状態」と言う出岐が逃げ切った。

 指揮官の想像を上回るスピードで、頂点にたどり着いた。04年4月に就任した原監督は「10年目で優勝争いをする」と宣言。09年に33年ぶりに箱根駅伝出場に導いた3カ月後に、出岐ら現4年生が入学した。そこから着実に成長し、今年の箱根駅伝で5位。特に高校時代に実績を残した選手を集めているわけではないが「まだ優勝していないチームでやりたかった」と言う久保田らルーキーも加入。相模原キャンパスには今年3月にトラックが、6月にはクロスカントリーコースが完成。メンバーと環境が整うなど地道な活動が実を結び、就任9年目で出雲路を制した。

 11月の全日本大学駅伝には、6月の予選会で惨敗したために出場できない。次のターゲットは来年1月2、3日の箱根駅伝だ。「出雲の優勝チームのプライドと自信と、チャレンジャーっていう気持ちをバランス良く持って臨みたい」と出岐。出雲で吹いた新風は、箱根で更に勢いを増す。

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2012年10月9日のニュース