佳純 W杯の出場を断念…中国側から「安全の確保困難」

[ 2012年9月20日 06:00 ]

卓球女子W杯の出場を断念することが分かった石川佳純

 尖閣諸島(中国名・釣魚島)国有化の余波が止まらない。日本卓球協会は19日、ロンドン五輪女子団体で銀メダルを獲得した石川佳純(19=全農)が中国・黄石で21日に開幕する女子W杯の出場を断念したと発表した。中国卓球協会から安全確保が困難との通告があり、苦渋の決断を下した。石川が希望している世界最高峰の中国スーパーリーグ(10月開幕)の参戦にも、暗雲が漂ってきた。

 ロンドン五輪後初戦となる女子W杯に向けて北京で調整を続けていた石川だが、出場断念に追い込まれた。反日デモの激化を受け日本協会は17日、中国協会に対し、日本から唯一エントリーしていた石川の身辺保護を要請。中国側から快諾の返答を得ていたが、この日午前に事態が急変した。

 中国側から「安全を確保するのが困難な状況にあるので、石川選手の出場について再考してほしい」という連絡が入り、出場を希望していた石川サイドと協議して決断を下した。16年リオデジャネイロ五輪へのリスタートに意欲も強かった19歳は、残念そうな表情を浮かべていたという。

 尖閣問題は、今後の強化方針にも影響しそうだ。石川は、10月開幕の中国スーパーリーグへの参戦を見据えており、女子W杯開幕前に所属チームが決定する予定だった。だが、関係者によると、尖閣問題の影響で詰めの交渉が進んでいないという。石川は依然、同リーグ参戦への強い希望を持っているものの、今後の情勢次第で消滅する可能性がある。そうなると4年後の五輪まで中国を拠点に活動するというプランも変更せざるを得なくなる。関係者は「近日中には方向性が出ると思う」と説明した。

 日本と中国は、卓球を通じて交流を続けてきた歴史がある。1972年9月の日中国交正常化以前に、日本開催の世界選手権に中国代表が出場。また女子のエース・福原愛(23=ANA)は中国でも大人気を誇る。05年、小泉純一郎首相(当時)の靖国神社参拝などへの抗議を理由に中国で反日デモが広がる中でも、上海で行われた世界選手権は無事に開催された。それだけに、日本協会の前原専務理事は「前代未聞の事態。卓球でこういうことが起こるのは残念としか言いようがない」と言葉を絞り出した。

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