白鵬 最速69場所目で通算700勝到達!

[ 2012年9月20日 06:00 ]

日馬富士(奥)に言葉をかけ笑顔で支度部屋を後にする白鵬

大相撲秋場所11日目

(9月19日 両国国技館)
 白鵬は盤石の攻めで豪栄道を寄り切り、10勝目。幕下以下が7日制になった1960年名古屋場所以降に初土俵を踏んだ力士としては、最速で通算700勝に到達した。前日はまさかの敗戦を喫したが、抜群の集中力で連敗を阻止。貴乃花を超えて単独5位の23度目の優勝に向け、全勝の日馬富士を1差でピッタリとマークしている。稀勢の里が2敗に後退し、1敗は白鵬と旭天鵬の2人。

 節目の勝利は、尊敬する双葉山をイメージしたものだった。左で張りながらフワッと立った白鵬は豪栄道に対し、得意の右四つで一気に寄り切り。外見は、立ち遅れているように見えながら最後は自らの形となって勝つ「後の先(ごのせん)」は双葉山が極めたとされるが、白鵬は取組後の支度部屋で「それに近いものはあった」と満足げな表情を浮かべた。

 前日は栃煌山にはたき込まれて今場所初黒星を喫した。実は当日の朝は疲労もあって今場所初めて稽古を休んでいた。毎日のルーティンを崩した途端に足をすくわれ「(自分の)調子が良いと分かっていた。反応も良く、勢い余って出たら負けた」と自意識過剰だったことを実感。気持ちを切り替え、この日朝は約1時間しっかり汗を流した。

 自身は第「69」代横綱で、前人未到の「69」連勝を達成した双葉山を意識。この日、貴乃花と武蔵丸の記録を4場所上回る「69」場所目で通算700勝を達成した。場所後の24日から日中国交正常化40周年の交流事業で北京を訪問予定だったが、日中関係悪化により不参加が決定的。現在、北の湖理事長(元横綱)ら協会幹部と訪中団代表の間で最終協議中だが、関係者は「横綱に何かあっては取り返しがつかない。訪中中止は覆りそうにない」と明言した。土俵外では政治情勢の波にのまれてしまったが、土俵上では逆転優勝を成し遂げ、独裁政権を続ける。

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2012年9月20日のニュース