内村、個人総合22連勝!万能キングが凱旋試合で貫録

[ 2012年9月18日 06:00 ]

あん馬の演技を終え、内村はこの日一番の笑顔

体操全日本社会人選手権最終日

(9月17日 神奈川・相模原市立総合体育館)
 万能キングが貫禄を見せつけた。ロンドン五輪で個人総合金メダルを獲得した内村航平(23=コナミ)が、合計92・400点で優勝し、公式戦の個人総合の連勝を22に伸ばした。床運動、跳馬でも1位の得点をマークし、コナミの団体総合優勝にも貢献。チケットを求めて徹夜組も出た凱旋試合で、きっちり主役を務めた。女子個人総合は野田咲くら(18=朝日生命)が55・050点で制した。

 舞台は替わっても、圧倒的な存在感は健在だ。ロンドン五輪で世界の頂点に立った内村が、笑みを浮かべて観衆に手を振った。92・400点で個人総合22連勝。「大きなミスなく6種目できて、応援に来てくれた皆さんに、いい演技が見せられて良かった」。会場は1600人収容で、一般向けに発売されたチケットは前売り300枚、当日200枚の計500枚だけ。プラチナチケットを求めて徹夜組も出現し、内村の名前が書かれたうちわを持った外国人女性も声援を送る中、万能キングがファンの期待に応えた。

 ロンドンから帰国後、イベントなどに忙殺されながら、凱旋試合の今大会に向けて調整してきた。急ピッチで負荷の高い練習をしたため、右肩に今まで味わったことのないような痛みを抱えていた。「ズ~ンってくる痛み。これ以上痛くなるとやばい」。万全なコンディションではなかったが、ロンドン五輪で失敗したあん馬の降り技はきっちり成功させた。「トラウマになっていた。試合でようやくいい降りができたので思わず“やった”と声が出た」と“どや顔”を浮かべた。

 会場がある神奈川県相模原市は、小惑星探査機「はやぶさ」を生んだ宇宙航空研究開発機構(JAXA)の相模原キャンパスがある。試合後、「はやぶさ」の元プロジェクトリーダー・川口教授から「はやぶさ」の模型を渡された内村は、ニヤリと笑った。次戦は11月の全日本団体・種目別選手権。「肩の調子が良くないんで、1回休みたい。次は(全日本)団体ですね」。もはや世界にライバル不在の万能キングは、“宇宙レベル”の演技を目指していく。

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