池田“珍プレーオフ”で敗退…「見えません」

[ 2012年9月10日 06:00 ]

<トーシン・トーナメント最終日>パットが決まらず首をかしげる池田勇太

男子ゴルフツアートーシン・トーナメント最終日

(9月9日 三重県いなべ市 涼仙ゴルフ倶楽部=7169ヤード、パー72)
 照明の光を頼りに行われたプレーオフで、池田勇太(26=日清食品)が涙をのんだ。雷雨により2時間12分の中断を挟み、通算18アンダーで池田と呉阿順(27=中国)が首位でホールアウトしプレーオフに突入。日没により1ホールごとに距離を短くするツアー初めての方式は4ホール目で決着し、呉阿順がツアー初勝利を飾った。中国出身選手の男子ツアー勝利は初めてとなった。

 すっかり日が落ちた18番ホール。投光器2台にカートのヘッドライトがグリーン方向を照らし出す。最終ホールで繰り返し行われたプレーオフ。ピンまで45ヤードのティーグラウンドから“寄せワン”勝負となった4回目の18番で、池田は第1打をグリーン奥カラーに外し8メートルのパットを決めきれなかった。これに対し呉阿順は約2・5メートルのパットをねじ込み優勝を決めた。「(暗くて)右に行くのか左に行くのか正直分かりづらかったけどエキサイティングでハッピー。疲れたけど」と喜びをかみしめた。

 ツアー初の珍プレーオフだった。雷雨による中断などで最終組が午後5時40分にホールアウトすると、その10分後にプレーオフが始まった。すでに暗くなりかけていたが、この時点では通常のティーからスタート。しかし、2ホール目からはグリーン側に投光器2台が投入され、ティーの位置もグリーンのフロントエッジから145ヤードのところに移動。さらに3ホール目からはグリーン脇に集められたカート5台のヘッドライトに照らされ、ティーもグリーンエッジから100ヤードのところに移された。

 日本ゴルフツアー機構の中島和也ツアーディレクター(48)は「優勝を決めなくてはいけないので(視界を確保するため)できるだけグリーンに近づけるしかなかった。ティーを動かすというのはルールにはないが、位置をずらしたのはツアーでは初めて」と説明した。しかし、先週に続いて2位に終わった池田は「見えないのは相手も一緒だけど、見えません。言い訳にしたくないけど、無理。だから、(明るかった)1ホール目も走ったし、決まるものも決まらなかった」とぶ然とした表情で会場を後にした。

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