クライシュテルス 思い出の地で引退「次の人生に進む」

[ 2012年8月31日 06:00 ]

<全米オープンテニス>女子シングルス2回戦で敗退したキム・クライシュテルス

全米オープンテニス第3日 女子シングルス2回戦 クライシュテルス0―2ロブソン

(8月29日 ニューヨーク ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター)
 女子シングルス2回戦で今大会を最後に引退するキム・クライシュテルス(ベルギー)がローラ・ロブソン(英国)に6―7、6―7で敗れ、2年ぶりに出場した全米での連勝記録は22でストップした。世界ランキング1位のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)、全仏オープン覇者のマリア・シャラポワ(ロシア)らは3回戦に進んだ。男子シングルス2回戦ではロンドン五輪金メダルのアンディ・マリー(英国)が快勝した。

 山なりの返球がラインを越えると、ため息がセンターコートを包んだ。今大会限りでの引退を表明していたクライシュテルスが敗退。初めて4大大会のタイトルを手にしたのが05年の全米だった29歳のベテランは「引退するのには完璧な場所」と感傷に浸った。

 2セットともタイブレークで競り負けた。世界ランク89位で18歳のロブソンに強打を打ち分けられて苦戦。それでも粘り、第2セットでは5―6で迎えた第12ゲームで2度のマッチポイントをしのいだ。タイブレークも一進一退の攻防だったが、最後に力尽きた。

 引退、結婚、出産に加え、サッカーの元ベルギー代表だった父、レオさんの死を経験して復帰した09年から2連覇した思い出の舞台でもあった。試合後、観客から総立ちの拍手を受け、コート上でのインタビューでは「あのときは感情がジェットコースターのようだった」と声を詰まらせた。女子ダブルスと混合ダブルスが残るが、シングルスはこれで最後。母親と選手を両立してきた元世界1位は「次の人生に進む」と手を振って応えた。

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