遼“台風ラウンド”に耐え、メジャー6戦ぶり予選突破

[ 2012年8月12日 06:00 ]

海岸を背に18番ティーショットを放つ石川遼

USPGAツアー 全米プロ選手権第2日

(8月10日 米サウスカロライナ州キアワ島 キアワアイランドゴルフリゾート・オーシャンコース=7676ヤード、パー72)
 初日14位の石川遼(20=パナソニック)が“台風ラウンド”を耐え抜いて、メジャー6戦ぶりの予選通過を決めた。瞬間最大風速が台風並みの風速17メートルに及ぶ中、難易度の高いインでは42と崩れたが通算2オーバーの24位。昨年の全米オープン以来となるメジャーでの決勝ラウンドで再浮上を狙う。タイガー・ウッズ(36=米国)、ビジェイ・シン(49=フィジー)らが通算4アンダーで首位に立った。

 18番で1・5メートルのパーパットを沈めた石川は、右手を軽く握ってガッツポーズを見せた。「覚えてない。無意識だった」というしぐさに、この日のラウンドの過酷さが表れていた。

 帽子や傘も吹き飛ばす風速13メートルの強風が、ラウンドの最初から最後まで吹き荒れた。全体の平均スコアは大会史上ワーストスコア。初日が73・33だったのが2日目は78・11と5打も悪化した。アンダーパーは4人しかおらず、60台はV・シンただ1人だった。

 そんな中で石川は追い風のアウト前半で2つスコアを伸ばし、ウッズと1打差の2位で折り返した。しかし、ただでさえ難易度の高いインコースが強風のおかげで狂暴なまでの難しさに変わっていた。「予想以上の難しさ。精いっぱいやったけど、通用した場面と通用しなかった場面があった」

 打てども打てどもまっすぐ飛ばない。12番パー4ではフェアウエーからの2打目が、軽く風にさらわれてグリーン右の池に落ちた。ショットもパットも風に翻弄(ほんろう)されるまま、14番パー3でもダブルボギー。終盤はカットラインが気になるほどフラフラになりつつも、最後はどうにか踏ん張り切った。

 「結果を出したいと一番思っているのは自分なので、そういう自分との戦いでもあった」。まだ首位とは6打差。約1年2カ月ぶりに勝ち取ったメジャーの週末は、上位を追いかけて思う存分に戦い抜く。

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2012年8月12日のニュース