人類初!ボルト 2大会連続2冠「俺は伝説」

[ 2012年8月11日 06:00 ]

男子200メートル決勝 2大会連続の2冠を達成し、声を上げて喜びを爆発させるジャマイカのウサイン・ボルト

 陸上男子200メートル決勝が行われ、ジャマイカのウサイン・ボルト(25)が19秒32で優勝。100メートルと合わせて短距離2種目で史上初の五輪連覇を果たした。ジャマイカ選手権でボルトを下したヨハン・ブレーク(22)は19秒44で2位。3位には自己ベストの19秒84をマークしたウォーレン・ウィアー(22)が入り、ジャマイカ勢が表彰台を独占した。

 勝利を確信したのは残り5メートル。ボルトはほんの少しだけ減速した。「ヨハン(ブレーク)の前にいることが重要だった。競り合うと足にストレスがかかる。それは避けたかった」。コーナーを回ったところで先頭に立つと、ブレークに2メートルの差を保ち続けてフィニッシュ。そして、人さし指を口に当てるポーズを見せた。「厳しいレースだったが今、俺は伝説になった。もう何も言わせない」。それは自分に対して批判的な見解を示していた人物へのメッセージのようにも聞こえた。

 「もう尊敬なんかしない」。レース後、最初に“絶縁状”を送ったのは84年のロサンゼルス五輪で100メートルと200メートルを制したカール・ルイス氏(51=米国)だった。同氏はここ数年、「ジャマイカの薬物検査は手ぬるい」と言い続けており、今大会の100メートルの優勝候補にも同じ米国のジャスティン・ガトリン(30)を挙げていた。会見で報道陣から「過去の2種目制覇はルイス氏だけだがどう思うか?」と質問を向けられたボルトは「(彼は)薬の話ばかり。彼の発言は選手の努力を否定している」と批判した。

 さらに怒りの矛先はIOCのジャック・ロゲ会長(70)にも向けられた。同会長は北京五輪の100メートル決勝でボルトが胸を叩きながらゴールしたことに対し「スポーツ精神に反している」と指摘。この日は「彼は五輪の象徴ではあるが伝説の男かどうかを判断するのは引退してからでいい」と“伝説になった”というボルトの主張を認めなかった。その発言を伝え聞いた世界最速の男は「まだ自分の能力を疑っている連中がいる。もうやめるべきだ」と不快感をあらわにした。

 北京五輪でマークした当時の世界記録(19秒30)には及ばなかったが、19秒32はマイケル・ジョンソン(米国)が96年のアトランタ五輪で出した優勝記録と同じ。ジョンソンのそのタイムが「不滅の記録」と呼ばれたのだから、ボルトが正当な評価を受けたいと思うのも当然だ。残されたのは400メートルリレー。2大会連続の3冠達成が近づいている。「最後はパーティー気分で走る」とボルトは2大会連続の3冠を確信。渦巻く批判の中で、超速スプリンターは通算6個目の金メダルを視野に捉えている。

 ◆ウサイン・ボルト 1986年8月21日、ジャマイカ西部のトレローニー出身の25歳。200メートルでの20秒の壁は17歳で突破。08年北京五輪では400メートルリレーを含めて短距離3冠。09年世界選手権では100メートルと200メートルで世界記録をマーク。昨年度の年収は2030万ドル(約15億8000万円)でスポーツ界全体の63位。1メートル96、93キロ。

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