錦織無念 ストレート負けで日本男子92年ぶり4強ならず

[ 2012年8月3日 06:00 ]

シングルス準々決勝で奮闘した錦織

ロンドン五輪テニス

 シングルスは男子準々決勝で、世界ランク17位で第15シードの錦織圭(22=日清食品)が同ランク9位で第8シードのフアンマルティン・デルポトロ(23=アルゼンチン)に4―6、6―7で敗れた。日本男子として1920年のアントワープ大会で銀メダルを獲得した熊谷一弥以来92年ぶりの4強進出はならなかった。第2シードのノバク・ジョコビッチ(25=セルビア)と第3シードのアンディ・マリー(25=英国)がベスト4入りした。

 錦織は悲願のメダル獲得はならなかった。1日の3回戦で、世界ランク5位で第4シードのダビド・フェレール(30=スペイン)を破って迎えた一戦。1メートル98のデルポトロの強打に対抗し、第1セットは第9ゲームまで2回ずつブレークして食い下がった。しかし、第10ゲームをブレークされてこのセットを落とすと、第2セットはタイブレークまで粘ったが一歩及ばなかった。

 厚い壁だった。08年の全米オープン3回戦ではフェレールを撃破。全米では日本男子として71年ぶりに4回戦に進んだが、次の4回戦で立ちはだかったのがデルポトロだった。ストレート負けで86年ぶりの日本男子ベスト8進出はならなかった。それ以降も09年2月のSAPオープン2回戦と6月のウィンブルドン選手権3回戦でいずれも1セットも奪えず3連敗。五輪の舞台で雪辱はならなかった。

 日本テニス協会の援助で88年ぶりの8強に進んだ。テニス会場は選手村から遠く、移動に時間がかかるため、2日前にウィンブルドンから徒歩15分のところに部屋を借りた。日本代表の村上武資監督は「睡眠時間が2時間以上は違う」と体調管理で効果があることを明かした。さらに「まあ(錦織のゲーム機の)DSの充電器は僕が選手村から持ってきましたが」と心身ともにサポートを受けたが、92年ぶりの快挙には届かなかった。

 ロンドン五輪では運も引き寄せた。世界ランク3位のラファエル・ナダル(26=スペイン)が故障で欠場。ナダルが出場していれば、3回戦では過去2戦2敗で地元のアンディ・マリーと対戦する可能性が高かった。苦手のマリー戦を回避して世界ランク5位のフェレールを撃破したが、2戦連続の世界ランクトップ10撃破はならなかった。

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2012年8月3日のニュース