弱小国初戦敗退避けるため「1次リーグ制」導入裏目に

[ 2012年8月3日 06:00 ]

ロンドン五輪バドミントン女子ダブルス

 4組のペアがわざと負けようとした背景には、弱小国・地域の選手が1回戦敗退で終わるのを避け、競技の普及と露出アップを図るため、BWFが今大会から導入した1次リーグ制がある。

 4組は準々決勝以降の強豪や自国ペアとの対戦を先延ばししたいなどの理由で、グループ2位通過を狙い無気力プレーを続けた。しかし、BWFは公認大会を公正に運営する目的で「勝利のための全力プレーを怠ること」など罰則の対象となる選手の行動規定を設けている。トーマス・ルンド事務局長は今回の処分について「選手の利益のために決断した。重要なのは断固とした公正な態度で対処することだ」と説明した。

 ただ、サッカーなど1次リーグ制のある競技では、最終戦が消化試合となり、無気力試合と思われる展開になることは珍しくない。そのため、処分を受けた王暁理は中国の短文投稿サイトで「不完全な制度のせいで私たちが責任を負う。なぜ?あなたたちが取り消したのは試合だけでない。私たちの夢も奪った」と無念さをつづった。ルンド事務局長は1次リーグ制の効果を強調する一方で「問題がある」と改善を約束したが、論議を呼ぶ結果となったのは間違いない。

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2012年8月3日のニュース