中矢 背負い投げ禁止でストレス 決勝でウイークポイントとなった右肘

[ 2012年7月31日 08:04 ]

銀メダルの中矢と、優勝したイサエフ

ロンドン五輪 柔道男子73キロ級

 柔道男子73キロ級は中矢力(23)=ALSOK=が決勝で敗れ、銀メダルだった。

 09年に大きな転機が訪れた。柔道を始めた6歳の時から得意だったのが寝技。相手を引き込んで、決めた。

 だが、下半身への直接的な攻撃がルールで禁止され、寝技に引き込む手段を失った。「このままの柔道じゃ勝てない」。だが「世界寝技選手権があれば絶対に負けない」との自信を持つ男は武器を捨てなかった。研究を重ね、背負い投げや巴投げから寝技につなげる技術をマスター。新たな柔道をつくり上げる原動力となった。

 最終選考会となった5月の全日本選抜体重別で優勝し、五輪切符を手にした。だが、代償は大きかった。右肘と肩を痛め、調整過程は大幅に狂った。6月中旬まで背負い投げも禁止。ストレスで顔には吹き出物ができた。本番までに痛みは消えたものの、決勝でその右肘がウイークポイントになった。

続きを表示

2012年7月31日のニュース