平岡銀 日本メダル1号!だけど悔しい…

[ 2012年7月29日 06:00 ]

銀メダルを手にする平岡

ロンドン五輪柔道

 男子60キロ級の平岡拓晃(27=了徳寺学園職)が決勝でアルセン・ガルスチャン(ロシア)に一本負けを喫したものの、銀メダルを獲得した。初出場の08年北京五輪では初戦敗退。自らの骨肉腫や、母・雅子さんのがんなどの苦難を乗り越え、再び五輪舞台にはい上がってきたベテランが、ロンドン五輪の日本選手団のメダル1号となった。女子48キロ級の福見友子(27=了徳寺学園職)は、3位決定戦でチェルノビチュキー(ハンガリー)に延長の末に一本負けし、5位に終わった。

 一瞬の隙を突かれた。ガルスチャンの内股をがっちりとらえて、すくい投げで返そうとした平岡を、再びガルスチャンが強引に巻き込んだ。主審は技ありの判定も、審判団の結論は一本。うなだれた平岡は「すくい投げの角度とか、自分の判断が甘かった」と話すと、負けた瞬間のことを「何で勝てないんだろうなあと思った」と振り返り、天を仰いで涙を隠した。
 「4年間、我慢してきた自分に金メダルを渡したかった。ちょっと、いや、だいぶ悔しいです」。

 だが、09年以降の世界選手権3大会は日本人男子として唯一、連続メダル。この日も決勝まで進んだ平岡を、もう「なぜ?」と言う人はいない。今大会の日本選手団初のメダルを手にした27歳は「北京のとき、なんで平岡を選んだ?と言ってくれた人たちのおかげで、今、ここにいます。全ての人に感謝したい」と自らの歩いてきた道のりを、そう振り返った。

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