白鵬 元琴光喜の動画で着想、内無双で「天下無双」

[ 2012年7月18日 06:00 ]

内無双で鶴竜を転がし全勝を守った白鵬

大相撲名古屋場所10日目

(7月17日 愛知県体育館)
 23回目の優勝を狙う白鵬が鶴竜を初の内無双で退け、初日から10連勝を飾った。07年名古屋の横綱昇進後から、横綱在位30場所連続での2桁勝利を達成。抜群の安定感を誇る27歳が、単独1位となる9回目の全勝優勝に向けて順調に白星を重ねている。1年ぶりの優勝を狙う日馬富士も無敗をキープ。全勝の2人に平幕の魁聖が1敗で続き、琴奨菊と稀勢の里が2敗で追う展開となった。
【取組結果】

 意表を突いた横綱の「内無双」に、観衆も、鶴竜も沈黙するしかなかった。序ノ口デビューから通算686勝目で初の決まり手。右四つに組んで鶴竜のスピードを止めるとタイミング良く相手の内腿を左手で払い、体をひねって豪快に倒した。横綱在位30場所連続の2桁勝利を10日目に決め「あの技で決めるとは思わなかった。完璧に決まりましたね」と口調も滑らかだ。

 想像力をかき立てるには十分な要素があった。場所前にインターネットで元大関・琴光喜の田宮啓司氏が内無双を仕掛けている動画を閲覧。「記憶に新しかった。琴光喜関はよくやっていたから」。加えて最近見たモンゴル相撲の映像でも外無双を仕掛けているシーンを見ていたという。「無双」という脳の中に潜在していた情報を自然に“夢想”していた成果が、今場所初の大関戦という大事な場面で発揮された。

 前日までに先場所敗れた豪栄道、豊ノ島に勝利を収め、この日の朝稽古後にはリラックスした表情を見せた。セミの鳴き声を耳にすると、昨年タイに行った際にセミを食べた秘話を吐露。さらに先場所後にモンゴルに帰った際の話に及ぶと「草原で偶然、ウサギがわれわれが乗っていた車の前を通ったんだ。次は、なにかいいことがあるなと思った」とのエピソードを披露。好調を感じている時の白鵬は実に冗舌だ。

 横綱として30場所連続以上の2桁勝利は過去に37場所の北の湖だけ。「いろんな課題を乗り越え、精神的に大きくなれているから」。残り5日間も大きな心で5大関を迎え撃ち、「天下無双」を証明する。

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