出遅れたボルト 2年ぶりに負けた ブレーク今季世界最高V

[ 2012年6月30日 12:11 ]

男子100メートルで2位に終わり、さえない表情のウサイン・ボルト

 陸上のロンドン五輪代表選考会を兼ねたジャマイカ選手権第2日は29日、キングストンで行われ、男子100メートルは昨年の世界選手権王者のヨハン・ブレークが追い風1・1メートルの中、世界歴代4位となる9秒75の今季世界最高記録で、世界記録保持者のウサイン・ボルトを抑えて優勝した。ボルトは9秒86で2位。女子100メートルは北京五輪金メダルのシェリーアン・フレーザープライスが今季世界最高の10秒70で制した。上位3選手が五輪代表に決まった。

 世界最速のボルトが約2年ぶりに敗戦を味わった。100メートルでの敗戦はフライングでの失格を除くと、2010年8月にタイソン・ゲイ(米国)に敗れて以来。

 スタートに失敗し、終盤に追い込んだものの同じチームの後輩の背中を見てゴールする屈辱に「ブレークが速いのは疑いの余地はない。代表になれてよかったよ」と、悔しさをのみ込んだ。

 予選、準決勝に続くスタートの出遅れに、ミルズ・コーチは「戦略的な問題もある」と指摘した。ジャマイカの五輪代表争いはこの大会での一発勝負。ボルトは昨年の世界選手権決勝でフライング失格となっており、スタートへの慎重な姿勢が出足を縛った格好だ。

 「スタートにトラウマ(心的外傷)はない」と話していたが、2大会連続の短距離3冠を狙う五輪を前に「怪物」が思わぬ弱点をのぞかせた。(共同)

続きを表示

2012年6月30日のニュース