錦織決めた初の3回戦 松岡修造以来17年ぶり

[ 2012年6月29日 06:00 ]

男子シングルス2回戦でフローラン・セラから第2セットを奪い、ガッツポーズする錦織圭

テニスウィンブルドン選手権第4日

(6月28日 英ロンドン・オールイングランドクラブ)
 男子シングルス2回戦で、第19シードで世界ランク20位の錦織圭(22=日清食品)が同ランク137位のフローラン・セラ(31=フランス)にストレート勝ちし、初の3回戦進出を決めた。日本男子で2回戦を突破したのは95年に8強入りした松岡修造以来17年ぶりの快挙。

 晴天に映える芝の上で錦織は気持ち良さそうにガッツポーズを見せた。世界ランク137位の格下セラに力の差を見せつけて快勝。「うれしいです。正直、最高のプレーではなかったけど、風と暑さで大変な中、3セットで勝てて良かった」。この大会で日本男子選手として初めてシードされた22歳は4大大会初の2戦連続ストレート発進に笑みを浮かべた。

 第1セットの第2ゲームで先にブレークを許した。だが、フォアを主体に力強さを取り戻すと、ネットプレーも織り交ぜ多彩なショットで圧倒。5ゲーム連取などでこのセットを奪うと、第2、第3セットはリードを許さなかった。錦織は「まだ落ち着いてできていない。それでも3セット目は自分の中で集中力を上げた」と余裕の表情で振り返った。

 1月の全豪オープンで8強入りと躍進したが、4月下旬に左脇腹を故障し、ツアーで欠場が続いた。「焦っていた自分がいた」。それでも約2カ月間、気持ちを抑えて体力強化に取り組んだ成果は、体勢が崩れても次々と決めた45本のウイナー(決定打)に表れた。

 27日にロンドン五輪に出場する添田豪(27=空旅ドットコム)、伊藤竜馬(24=北日本物産)とともに会見し、「メダルを目指して頑張りたい」と2大会連続出場となる五輪でのメダル獲得を宣言した。今大会は国別対抗戦デ杯でともに戦うチームメートの存在が心強い。「日本人がウィンブルドンで活躍するのはうれしい。仲もいいし、日本語で話す機会が増えて、リラックスしている」。精神的にも安定している。

 錦織が14歳から拠点とする米フロリダ州のIMGアカデミーの創設者ニック・ボロテリー氏も愛弟子の勝利に目を細めた。アガシやシャラポワを育てた名伯楽は「見事な勝利だったね。以前は内に秘めるところがあったけど、今は闘志が前面に出ている。今年中にトップ10入りも夢じゃない」と絶賛。95年の松岡修造以来となる日本人男子8強も見えてきた。

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