クルム伊達、初戦敗退…医師から“プレーするな”

[ 2012年6月28日 06:00 ]

女子シングルス1回戦で、脚に手を当て顔をゆがめるクルム伊達

ウィンブルドン選手権第3日

(6月27日 英ロンドン・オールイングランドクラブ)
 女子シングルス1回戦で、世界ランク82位のクルム伊達公子(41=エステティックTBC)は同66位のカテリナ・ボンダレンコ(25)に7―5、3―6、3―6で逆転負けし、2年連続の初戦突破はならなかった。

 左ふくらはぎに施したテーピングが痛々しかった。1時間57分の接戦で力尽きたクルム伊達は「医師から“プレーするな”と言われていた。リードしてもいい感覚ではなかった」。ドクターストップもかかった中で迎えた初戦で最後はショットをミス。1年ぶりの4大大会勝利を逃し、悔しそうにコートを去った。

 相手はクルム伊達が逃したロンドン五輪の推薦枠を手に入れたボンダレンコ。「(世界ランクで)自力での五輪出場を逃した時点でもう気持ちは断ち切っていた」とこの一戦に集中していた。「相手を走らせて自分が走らないテニスを心掛けた」とスライスやドロップショットなど持てる技術を駆使して速いテンポでポイントを重ね、第1セットを先取した。

 しかし、ケガの影響で足が動かなくなり、逆転負けした。この日は母親の昌子さんが96年以来のウィンブルドンで観戦。愛娘は負けたが「ケガがつらそうだったけど、今も楽しそうにプレーしているので止めることはできないですね」とほほ笑んだ。今後は治療に専念し、8月に米国で復帰予定。「毎年最後のつもりで戦っている」という41歳はまだ諦めていない。

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2012年6月28日のニュース