五輪V3へ暗雲…伊調、ぎっくり腰で最終調整に狂いも

[ 2012年6月23日 06:00 ]

男子代表強化合宿に参加した伊調馨

 最強女王にアクシデントが起きた。長野・菅平高原で行われているレスリング男子の強化合宿に参加していた女子レスリング63キロ級の伊調馨(28=ALSOK)が22日の練習中に腰痛を発症。帰京後、都内の病院で検査を受けた結果、ぎっくり腰と診断された。大事をとって23日からの新潟・十日町での女子合宿をキャンセル。最後の追い込み練習の時期に、予定変更を余儀なくされた。

 日本女子初の五輪3連覇を狙う伊調が、苦痛に顔をゆがめた。体力アップのために行っていたサーキットトレーニング。マット上をダッシュし脈拍数を上げた状態で、練習パートナーを中腰で持ち上げた際にアクシデントは起きた。同行していたトレーナーに治療を受け立ち上がったが、右足をやや引きずる状態。「ちょっと入院してきます」と力なく冗談を口にするのがやっとだった。

 カナダ留学から帰国した09年以降、積極的に男子の合宿にも参加し、技術を高めてきた。今回も21日に菅平高原入り。22日には必勝祈願の根子岳登山に参加し、午後から新潟県十日町市で始まる女子合宿に合流する予定だった。ところが、雨天で登山は中止。急きょ行われた練習でこのアクシデントに見舞われた。緊急帰京し、都内の病院で検査を受けた結果は「軽いぎっくり腰で2~3日の安静が必要」だった。

 幸いケガの程度は軽かった。だが、ハードな練習内容で知られる十日町での合宿には大事をとって不参加。調整過程に微妙な狂いが生じる可能性もある。さらに、ALSOKの大橋正教監督は「疲労がたまったのかもしれない。馨が腰を痛めるのは初めてじゃないか」と話しており、再発の危険性も否定できない。04年アテネ五輪以降は、不戦敗が1度あるだけという最強女王にとって、3連覇へ唯一の不安材料となる可能性もある。

 ▽ぎっくり腰 正式には急性腰痛症。腰椎などが捻挫して炎症を起こし、突然腰に激痛が走り、そのまま動けなくなってしまうことも。生活習慣やストレスの影響など、原因を特定するのは難しい。2、3日は患部を冷やし、安静にしておく必要がある。一般的には1週間程度で激痛は和らぐ。

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2012年6月23日のニュース