初日から賜杯争いリードも…稀勢4敗、決定戦すら進めず

[ 2012年5月21日 06:00 ]

把瑠都(手前)に上手投げで敗れ、4敗目を喫した稀勢の里

大相撲夏場所千秋楽

(5月20日 両国国技館)
 豪快に土俵下まで転がされた瞬間、手の届くところにあった初優勝が消えた。勝てば3人による巴戦。稀勢の里は巨漢の把瑠都を土俵際まで追い詰めた。粘る相手に対して左四つの体勢になり、必死にがぶった。だが、最後に回り込まれて右上手で投げ捨てられた。「しょうがない」。支度部屋では、あふれ出しそうな涙をグッとこらえた。

 北の湖理事長は「がっかりすることなく次につなげてほしい」とエールを送り、2階席の最上段で見守った父・貞彦さん(66)も「収穫はあった。負けて覚える相撲」と背中を押した。名古屋場所では初めて東の正大関として白鵬と千秋楽で戦う権利を得る。6年ぶりの国内出身力士の優勝はかなわなかったが、真っ向勝負を貫く叩き上げ大関の逆襲を、誰もが待っている。

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