鶴竜 先場所初V阻まれた豪栄道に瞬殺リベンジ

[ 2012年5月9日 06:00 ]

豪栄道(手前)をはたき込みで破った鶴竜

大相撲夏場所3日目

(5月8日 両国国技館)
 2日目に初黒星を喫した新大関・鶴竜は関脇・豪栄道をはたき込んで春場所のリベンジに成功。初優勝へ向けて再スタートを切った。他の大関陣は、把瑠都が平幕・妙義龍を押し出し、稀勢の里が小結・豊真将を押し出し、琴奨菊が平幕・臥牙丸を寄り倒して、それぞれ3連勝。平幕では栃煌山ら7人が全勝を守った。

 いつもの柔和な笑みはない。鶴竜は目をつり上げ、闘志むき出しで豪栄道に襲いかかった。「今度はやってやろう。気合を入れました」。立ち合いから突っ張って相手の上体を起こし、頭が下がったところを見逃さずにはたき込んだ。春場所千秋楽の対戦では、勝てば初優勝という一番で一方的に寄り切られていた相手にリベンジ。決まり手は引き技でも「引こうと思ったわけじゃなく流れで。きのうとは違います」と支度部屋で胸を張った。

 師匠・井筒親方(元関脇・逆鉾)のゲキに発奮した。引き技で妙義龍を呼び込み、大関初黒星を喫した2日目の夜。「一番ダメな相撲だ」と叱責(しっせき)された。「闘志がないヤツは勝てない」。師匠も現役時代に、この言葉を実父で師匠の鶴ケ嶺昭男氏から厳しく叩き込まれていた。井筒部屋伝統の教えをあらためて胸に刻み、煮え湯を飲まされた相手を一蹴した。

 土俵に上がれば闘争本能全開となる。だが、勝負の場に至るまでは看板力士の務めを果たしている。ファンサービスも兼ねて初日から3日連続で南門から徒歩で国技館入り。「天気が良ければ、そうすると決めてますから」。初黒星の翌日でもショックを引きずらず、ファンの声援に笑顔で応えた。

 史上初の6大関時代とした新大関が、春場所で逃した初優勝に向かって再スタートを切った。

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2012年5月9日のニュース