加藤 男子最年少18歳で父との夢舞台出場果たす

[ 2012年5月6日 06:00 ]

父のKONAMI体操競技部・加藤裕之氏(右)と握手する加藤(左)

体操NHK杯最終日

(5月5日 東京・国立代々木競技場)
 男子最年少の18歳で代表入りした加藤は、89年世界選手権(シュツットガルト)代表で現コナミ監督の父・裕之さん(48)が果たせなかった五輪出場の夢をかなえ「まだ夢のよう」と話した。

 16歳で全日本選手権3位に入った得意の床運動のポイントで代表入りを狙ったが、この日は緊張する1種目の最初の演技者。練習では全部止まることもある着地が決まらず「満足できない」と振り返ったが、15・350点でライバル沖口を抑え、4日間中3日で首位を奪って代表入りした。

 両親とも体操選手で、9歳から父の指導で本格的に始めた。昨年のNHK杯で8位に入り、世界選手権の補欠になったが五輪を意識したのは、2位通過した4月の全日本後という。常に身近にあって、でも、憧れでしかなかった五輪を本気で目指した1カ月だった。

 父は「代表に必要とされているなら自然に選ばれるはずだ」と送り出した。世界で初めて平行棒の降り技で月面宙返りを成功させ、「ヒロユキ・カトウ」の技名も持つが、88年ソウル五輪は国内で落選。「よくやったなと言いたい」と喜んだ。

 それでも3人の代表を送り出すコナミ監督として代表スタッフ入りが濃厚な裕之さんは「うれしさより大変という気持ちが強い」と複雑。その父の心配をよそに息子は「役割は床。チームを元気づけられるように」と18歳の端正な顔を喜びで満たしていた。

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2012年5月6日のニュース