さくらジャパン 3大会連続五輪決めた!入賞目標だ

[ 2012年5月6日 06:00 ]

アゼルバイジャンに完勝して五輪出場を決め、抱き合って喜ぶさくらジャパンのメンバーたち

ホッケーロンドン五輪世界最終予選第11日女子決勝 日本5-1アゼルバイジャン

(5月5日 岐阜グリーンスタジアム)
 貫禄の五輪切符だ。ホッケー女子日本代表「さくらジャパン」が決勝でアゼルバイジャンを5-1で下し、3大会連続の五輪出場を決めた。前半8分に駒沢李佳(29=コカ・コーラウエスト)のゴールで先制すると、豊富な運動量でアゼルバイジャンを圧倒。優勝がノルマとされていたプレッシャーにも打ち勝った。ロンドン五輪の目標は6位入賞。真夏のロンドンで大輪のさくらを咲かせる。

 涙やオーバーな喜びはない。3大会連続の五輪切符も通過点でしかない。今大会初めて満員に埋まったスタンドを見上げ、山本主将が声を張った。

 「相手より走れば必ず勝てると信じていた。自分を信じ、チームを信じた結果がしっかり出たと思います」

 相手より走ることで、体格のハンデをカバーする-―。安田善治郎監督(65)が目指すスタイルがゴールラッシュを実現した。前半8分に駒沢が先制ゴールを決め、21分には山本から柴田へつないで追加点。連戦で足が完全に止まったアゼルバイジャンとは対照的に、さくらジャパンはポジションを問わず、攻撃に守備に走り抜いた。

 「ベリーハッピーです。きょうは最高の試合。前半の動きを見て、勝てると思いました」

 指揮官が胸を張る。さくらジャパンが10位と惨敗した08年の北京五輪後に、04年アテネ五輪以来の現場復帰。過去の五輪を分析し、体力不足を痛感した。目指すホッケーが見つかっても、時代の変化が安田監督に思うようなチーム強化を許さない。陸上部と揶揄(やゆ)されるフィジカル中心の練習に、代表を辞退する若手選手が続々…。底上げが進まず、昨年のアジア大会で韓国、中国の後じんを拝して五輪切符を逃してしまった。

 世界で勝つために、ぶれるわけにはいかない。昨年12月の合宿で再び体力強化を徹底し、山本、加藤のベテランを相次いで代表復帰させた。藤尾を含めた五輪経験組と、この日2得点した柴田ら若手が融合。魅力あふれるさくらジャパンとなった。

 チームを引っ張る山本が夢舞台での目標を言い切った。「6位入賞を目指します」。もはや五輪は参加する場所ではない。大輪の花を咲かせるために、ロンドンへ乗り込む。

 ◆ロンドン五輪のホッケー女子日程 1次リーグは出場12カ国を2組に分け、7月29日、31日、8月2日、4日、6日に行う。各組上位2チームのよる準決勝は8日。3位決定戦、決勝が10日

 ◇ホッケー女子五輪出場国◇ 
英国(4)(開催国)
中国(5)(アジア1位)
韓国(8)(アジア2位)
オランダ(1)(欧州1位)
ドイツ(3)(欧州2位)
アルゼンチン(2)(世界ランク上位)
ニュージーランド(6)(オセアニア1位)
オーストラリア(7)(オセアニア2位)
米国(10)(南北アメリカ1位)
南アフリカ(12)(最終予選1組1位)
ベルギー(16)(最終予選2組1位)
日本(9)(最終予選3組1位)
 ※カッコ内の数字は世界ランキング。アフリカ1位の南アフリカが最終予選で出場権を獲得したため、世界ランキング上位のアルゼンチンが繰り上がりで出場権獲得

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