“小兵”が40年ぶり快挙!90キロ級の加藤が初優勝

[ 2012年4月30日 06:00 ]

優勝した加藤はカップを手に笑顔

柔道全日本選手権

(4月29日 日本武道館)
 1メートル74、93キロの加藤博剛(26=千葉県警)が出場選手中最長身の1メートル93、135キロの石井を背中から畳に叩きつけた。柔よく剛を制す。淡い期待が現実となって盛り上がる日本武道館で、加藤剛は「夢なのか、自分がどこにいるのか分からないぐらい興奮」していた。

 40年ぶりの歴史的快挙を果たした男は、本来の90キロ級では五輪代表候補にも入っていない。「意識もしないし、考えてもいなかった」のは当然だが、勝ち上がりは気持ちがいいほどだった。旗判定だった準々決勝の棟田戦以外は、小気味良く技を決めて大男を圧倒した。

 タイトルは国士舘大1年での全日本ジュニアだけ。3年前までは81キロ級だった。寝技の強さは知られていたが国際大会で結果が出ない。でも「寝技があるから思い切りいける」と立ち技、奇襲技を身につけて国内最高のタイトルを手にした。

 決勝は「(石井の)内股から小外への変化を予測して、隅落としがうまくハマった」と言う。しつこいほどの探求心と研究熱心さ。「来年の世界選手権を目指したい」と話した加藤剛の柔道人生は、全日本優勝が終着点ではない。

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